寄せ墓とは?費用・手順・メリット・注意点を徹底解説

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お墓の管理や承継に悩むご家庭が増えるなかで、「寄せ墓(よせばか)」という選択肢が注目されています。寄せ墓とは、複数に分かれているお墓を一か所にまとめて供養する方法のこと。管理の手間や費用を軽減できる一方で、初期費用や手続きの負担も伴います。この記事では、寄せ墓の意味やメリット・注意点、費用の目安や具体的な手順までをわかりやすく解説します。

寄せ墓とは

寄せ墓(よせばか)とは、複数に分かれているご先祖のお墓を一つにまとめ、供養する方法です。近年では、後継者が少ない家庭や、お墓の管理負担を軽減したい方に注目されています。複数の墓をまとめることで、掃除やお参りの手間を減らし、将来的な無縁仏のリスクも低くできます。

例えば、遠方の実家にお墓があり、なかなか足を運べない場合や、親族が増えて管理が複雑になっている場合に寄せ墓は有効です。


寄せ墓のメリット

寄せ墓にまとめることで、管理や費用、承継といった複数のお墓にまつわる負担を大幅に軽減できます。ここでは、具体的にどのようなメリットがあるのかを詳しく見ていきます。

1. 管理の負担が軽くなる

お墓が一か所にまとまるため、掃除やお参りの手間が減ります。特に高齢の方や遠方に住む子ども世代にとっては、精神的・身体的負担の軽減につながります。

2. 維持費の一本化

複数のお墓を維持する場合、年間の管理費や掃除費用が重なります。寄せ墓にまとめることで、費用を一か所に集中でき、長期的なコストを抑えられます。

3. 承継者が明確になる

親族間の承継者が不明確だとトラブルになりやすいですが、寄せ墓では一つの墓に集約することで、管理責任者や将来の承継者を明確にできます。

4. 無縁仏の防止

お墓が放置されることを防ぎ、永続的な供養が可能です。特に遠方にある古いお墓は、管理が行き届かず無縁になりやすいので、まとめておくことで安心です。


寄せ墓のデメリット・注意点

寄せ墓にはメリットだけでなく、初期費用や手続き、親族間での合意形成など注意すべき点もあります。失敗しないために、押さえておきたいポイントを整理します。

1. 初期費用の負担

寄せ墓には、既存のお墓の撤去や新しい墓石の建立費用などがかかります。費用は墓の規模や石材の種類によりますが、一般的には50万〜300万円程度が目安です。

2. 親族間の合意が必要

複数の家系のお墓をまとめる場合、親族全員の同意が必要です。合意形成に時間がかかることもあり、意見の対立が生じる場合もあります。

3. 手続きが煩雑

改葬許可の申請や閉眼供養・開眼供養など、行政手続きや宗教的儀式が伴います。準備を怠ると手続きが遅れたり、トラブルになる可能性があります。


寄せ墓の費用と手順

寄せ墓を行う際には、古いお墓の整理から新しいお墓の建立まで、複数の費用が発生します。ここでは、一般的な目安を具体的な数字で解説します。

区分内訳費用の目安補足
今あるお墓の整理費用閉眼供養のお布施3万円~10万円お墓の数だけ必要になる場合があります
墓石の解体・撤去費用10万円~30万円(1基あたり)墓地の立地や重機の使用可否で変動
離檀料(寺院墓地の場合)5万円~20万円これまでのお礼としてお布施
新しいお墓の準備費用永代使用料(墓地の土地代)20万円~200万円以上公営・民営・寺院墓地により変動
墓石建立費用50万円~250万円以上石の種類や大きさ、デザインによって変動
開眼供養・納骨法要のお布施3万円~10万円新しいお墓で供養を行うために必要
行政手続き費用改葬許可申請・書類発行数百円~数千円行政手続きにかかる費用
総額の目安50万円~300万円以上お墓の数や新しい墓の規模によって変動

手順の流れ

  1. 情報整理:整理対象のお墓の場所や契約状況を確認
  2. 親族間で合意形成:費用や管理方法を話し合い、全員の同意を得る
  3. 墓じまい:閉眼供養を行い、墓石を解体・撤去
  4. 行政手続き:改葬許可申請などを行う
  5. 新しい墓の建立:墓地選定と墓石設置
  6. 開眼供養・納骨:新しいお墓で供養を開始

このように、費用と手順をあらかじめ整理しておくことで、寄せ墓をスムーズに進められます。


寄せ墓を選ぶときのポイント

寄せ墓を選ぶ際には、費用や管理のしやすさだけでなく、将来の承継や立地なども考慮する必要があります。選ぶときの判断ポイントを整理してご紹介します。

  • 立地やアクセス:遠方からでも参拝しやすい場所か
  • 石材やデザイン:耐久性や将来のメンテナンスを考慮
  • 費用対効果:初期費用と長期管理費のバランスを確認
  • 承継者の確保:将来的に管理できる人がいるかを考慮

まとめ

寄せ墓は、管理負担を減らし、費用を集中でき、親族間トラブルや無縁仏のリスクも抑えられる方法です。一方で、初期費用や手続き、親族の合意形成には注意が必要です。費用や手順を確認し、家族と相談したうえで検討すると安心です。

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監修

竹内義彦
竹内義彦一般社団法人 終活協議会 理事
1969年生まれ、大阪出身。
2012年にテレビで放送された特集番組を見て、興味本位で終活をスタート。終活に必要な知識やお役立ち情報を終活専門ブログで発信するが、全国から寄せられる相談の対応に個人での限界を感じ、自分以外にも終活の専門家(終活スペシャリスト)を増やすことを決意。現在は、終活ガイドという資格を通じて、終活スペシャリストを育成すると同時に、終活ガイドの皆さんが活動する基盤づくりを全国展開中。著書に「終活スペシャリストになろう」がある。

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