「年賀状、書く?書かない?」じわじわと広まりつつある「年賀状じまい」について

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平安時代から続く日本独自の文化である“年賀状”ですが、近年広まっている「年賀状じまい」という言葉を耳にしたことはありますか?言葉の通り、年賀状を書くことをやめる行為を指すのと同時に、その旨を相手に伝える最後の年賀状を出すことを「年賀状じまい」といいます。

年賀状じまいをする理由は人によってさまざまで、「やり取りはSNSやメールが主だから」「年末は何かと忙しいから」「人間関係を見直した結果」「終活の一環としての生前整理」など、時代の変化をはじめ、年齢を重ねていくなかで生じる人間関係の変化などが要因であると考えられます。

では、年賀状じまいをすることでどんなメリットがあるのかを考えてみましょう。

年賀状じまいのメリット

時間・手間・費用の節約
やはりこれが一番大きいのではないでしょうか。年末は仕事や学校が休みとなり、自由に使える時間が増えますが、日常では忙しくてできなかったあれこれをしたり、家族の時間を満喫したり、実家への帰省や旅行など、年賀状を書くこと以外にもやることがたくさん…。そこから「年賀状を書く」というタスクが削れるメリットは大きく、2024年10月より郵便料金が値上げされたことも相まって、はがきやプリント代などの費用の節約にも繋がります。

人間関係の見直し
毎年年賀状を出しているけど、もう何年も会っていない。SNSやメールでのやり取りもない。そんな相手はいませんか?遠方で暮らす学生時代の友人や恩師ともなれば事情は変わってくるかもしれませんが、年賀状じまいは自分にとって大切なつながりであるか否かを見極める良い機会であるとも考えられます。年賀状ではなくSNSやメールの挨拶で事足りる相手も中にはいますし、今後も関わりを持っていきたい相手かどうかを見つめ直し、思い切って年賀状じまいを選んだ方がスッキリすることもあるかもしれません。また、年齢を重ねれば重ねるほどに、細かな文字が書けなくなったり、それまで年賀状を出していた相手が亡くなられてしまうことも増えていき、年賀状を書くモチベーションが下がることもあると思います。そういった事情を踏まえ、終活の一環や生前整理として年賀状じまいをされる方も増えています。

では、年賀状じまいをすることでどんなデメリットがあるのかも考えてみましょう。

年賀状じまいのデメリット

相手によっては疎遠になってしまう
日頃から顔を合わせる相手であれば問題ありませんが、前項で記したように、年賀状を通してつながりを維持している旧友や恩師などがいる方も少なくありません。ですが、年賀状じまいを機に、そういった方たちとのつながりが途絶えてしまい、疎遠になってしまう可能性も大いにあります。
(だからこそ、年末に限らず手紙を書いたり、SNSやメールでつながったり、直接会う機会を設けてみたりと、年賀状じまいをキッカケに別の関わり方を模索するのも良いかもしれません。)

相手によっては不快・不義理なイメージを持たれてしまう
年賀状文化に重きを置いている方も一定数いるため、相手によっては年賀状じまいを受け取ることを不快に感じたり、不義理だと思う方もいます。予め相手が不快に感じたり不義理に思う可能性が高いと分かっているのなら、誤解や不和が生じないよう、年賀状じまいへと至った経緯を誠意をもって綴る必要があるでしょう。

考えが変わった際に再開しづらい
今は年賀状じまいをすることが最善だと思っていても、数年後には考えが変化することもあるかもしれません。気にせず再開できる方であれば問題ありませんが、一度年賀状じまいを送っている手前、再開するのが気まずいと感じる人も中にはいるでしょう。年賀状じまいを検討中の方は、そういったリスクが自分に該当するのか否かを一度再考した上で年賀状じまいをするのが良いかもしれません。

年賀状じまいの始め方

年賀状じまい専用のはがきも販売されていますが、通常の年賀はがきに年賀状じまいする旨を記載する形で問題ありません。「こう書かなくてはならない」という明確なルールは特にありませんが、「新年のあいさつ」「年賀状じまいすることor年賀状じまいする理由」「今後の交流方法の提示」の3点を記す場合がほとんどです。書き方次第では相手を傷つけたり不快に思わせてしまう可能性もあるので、誤解が生じず、誠意のこもった文章を書くことを心がけましょう。

例)
「あけましておめでとうございます(新年のあいさつ)。本年を最後に、皆さまへの年賀状を控えさせていただくこととなりました(年賀状じまいすること)。今後はメールやSNSなどで皆さまと関係を築いていければと思っております(今後の交流方法の提示)。これからもよろしくお願いいたします。」

「あけましておめでとうございます。昨年は大変お世話になりました(新年のあいさつ)。さて、長年にわたり年賀状のやりとりをさせていただきましたが、家族で相談の結果、今年を最後に年賀状の送付を控えさせていただくことになりました(年賀状じまいする理由)。今後はLINEやFacebookなどで近況をお伝えできればと思います(今後の交流方法の提示)。皆さまのご多幸とご健康を心よりお祈り申し上げます

「あけましておめでとうございます(新年のあいさつ)。気づけば私も高齢となり、文字を書くのが年々難しくなってまいりました。つきましては、毎年の年賀状も今年限りで失礼したいと思っております(年賀状じまいする理由)。長きに渡りあたたかい賀状を賜りありがとうございました。皆様のご多幸とご健康を心よりお祈り申し上げます。」

また、先述した通り年賀状じまい専用のはがきも販売されていますので、時間のない方や文章を考えるのが苦手な方は専用はがきを利用してみるのも良いでしょう。

まとめ

年賀状を続けたとしても、年賀状じまいをしたとしても、肝心なのはあなたの考えや気持ちではないでしょうか。。本当につながっていたい相手であれば、どんな形であってもつながり続けていきますし、仮に関係が途切れてしまって後悔しても、新たなつながり方を模索すれば良いだけのこと。今現在の自分の想いを見つめなおすためにも、するかしないかは別にして、一度年賀状じまいについて考えてみるのはいかがでしょう。

皆さまがより良き終活の時間を送れるよう、一般社団法人 終活協議会 / 想いコーポレーショングループは誠実にサポートさせていただきます。

監修

終活協議会 編集部

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