一人暮らしの高齢者数は年々増加しています。総務省の調査によれば、令和2年時点で、65歳以上の高齢者人口3,603万人のうち、一人暮らしをしている高齢者の人数は、男性は約231万人、女性は約441万人に達しています。
出典:総務省行政評価局『一人暮らしの高齢者に対する見守り活動に関する調査』
このような状況下で、離れて暮らす家族が抱える最大の悩みが「親の安否確認」です。一人で暮らす家族が体調を崩していないか、認知症の兆候は見られないかなど、不安は尽きないでしょう。そこで注目されているのが「高齢者見守りサービス」です。
本記事では、高齢者見守りサービスの種類や選ぶ際の注意点について解説します。高齢者見守りサービスについて興味のある方はぜひ最後までお読みください。
目次
高齢者見守りサービスとは
高齢者見守りサービスは、一人暮らしをしている高齢者の安全と健康を確保するための支援サービスです。仕事の都合や離れた土地で暮らしているなどの理由から、家族が日常的に訪問するのが難しい場合でも、親の安否確認や必要なサポートを提供できる仕組みとして注目されています。
高齢者の一人暮らしでは、どうしても健康管理が行き届かなかったり、詐欺・犯罪の被害に遭ったりするリスクが高まります。こうした現状からも、見守りサービスの需要は高まってきています。なかには、見守りサービスに必要な機器の設置費用に補助金を出している自治体もあり、地域社会全体で高齢者を支える体制づくりが進んでいます。
高齢者見守りサービスの種類
高齢者見守りサービスには、対面での確認からセンサーやカメラなどを活用したものまで、さまざまな種類があります。主に自治体やサービス提供会社が、高齢者の生活スタイルや家族の要望に応じてサービスを提供しています。
訪問型・宅配型見守りサービス
訪問型見守りサービスは、専任のスタッフが定期的に高齢者の自宅を訪問し、安否確認や健康状態の確認、生活相談などをおこないます。電気や水道の検針員や郵便局員など地域と関わりの深い企業がサービスを提供しているのが特徴です。
宅配型の場合は、食事やその他の商品を配達する際に、宅配業者が高齢者の健康状態や安否を確認します。いずれのサービスも、地域情報の提供や犯罪防止の役割も担っており、定期的な訪問による会話を通じて、高齢者の心理的なサポートもおこなっているのが特徴です。
センサー型見守りサービス
高齢者の自宅の玄関や寝室などに設置したセンサーが、日常生活上の動作や温度の変化を24時間体制で検知します。異常があったり、一定時間何も検知されなかったりするなど、普段と異なる行動パターンの場合には家族やサービス提供者に自動で通知されます。プライバシーを守りながら、転倒や体調不良などの緊急事態を素早くキャッチできます。
最近では、冷蔵庫のようなスマート家電との連携や、ガス・電気の使用状況による見守り、ホームセキュリティと一体化したシステムなど、新しい選択肢が増えています。家電メーカーやセキュリティ会社など、さまざまな業種が独自の強みを活かしたサービスを展開しているため、本人の状態や環境に合わせた選択が可能です。
オート電話・オートメール型
設定した時間に自動で電話やメールが配信され、高齢者が応答することで安否確認をおこなうシステムです。応答がない場合は、家族や緊急連絡先に通知が送られます。電話の場合、複数の回答があらかじめ設定されていて、当日の健康状態に合わせてプッシュボタンを選択するだけのタイプもあります。メールの場合は、質問された内容に返信するだけで完了です。操作が簡単で導入しやすく、高齢者の生活リズムを把握する手段としても活用できます。
カメラ型見守りサービス
スマートフォンやタブレットから、設置したカメラを通じて高齢者の様子をリアルタイムで確認できます。設置するだけで簡易に使用できるカメラが多いため、大がかりな工事は必要なく、リビングや玄関など共有スペースへの設置が一般的です。双方向通話機能を備えたものも多く、顔を見ながら会話ができる安心感があります。一方で、「監視されている」と高齢者本人が感じてしまう場合もあるため、配慮が必要です。
ツールを使った高齢者見守り
高齢者の見守りには、さまざまなツールも活用されています。以下の表は、主な見守りツールの特徴をまとめたものです。自治体による補助制度もあるため、状況に応じて最適なツールを選択できます。
ツール | 特徴 |
GPS端末 | 高齢者が持ち歩くことで家族や介護者が位置情報を把握できる端末。認知症の高齢者の所在確認に利用できる。 |
ペンダント | 緊急時にボタンを押した場合に警備会社から確認の電話が入る。 |
キーホルダー | 連絡先や持病、普段飲んでいる薬などの医療情報を登録し、識別番号を記載。外出先で急な体調変化があったときに迅速に対応できる。 |
見守りロボット | AI技術を活用したロボット。高齢者と会話したり生活状況を観察したりできる。孤独感の軽減にもつながる。 |
これらのツールは単独でも使用できますが、複数を組み合わせることで、より手厚い見守り体制を構築できます。高齢者本人の生活スタイルや健康状態に合わせて、適切なツールを選択することが重要です。
高齢者見守りサービスを利用する3つのメリット
高齢者見守りサービスを利用するメリットには、主に以下の3つがあります。
- 健康状態の確認がしやすくなる
- リスク管理ができる
- 家族の精神的負担を軽減できる
ひとつずつ見ていきましょう。
健康状態の確認がしやすくなる
高齢者は持病を抱えていることが多く、急に体調が変化する可能性があります。見守りサービスの利用により、離れて暮らしていても画像や動画・音声を通じて表情や動作を確認できるため、体調の変化に気づきやすくなるでしょう。また、こういったサービスを利用しているからこそ、異変に気づいたときには、速やかに医療機関への連絡が可能です。
リスク管理ができる
高齢者見守りサービスは、高齢者の生活環境の安全性を高めるためのリスク管理にも役立ちます。センサーやカメラを通じて日常的な動作パターンを知ることで、つまずきやすい場所や動線上の危険箇所を事前に把握することが可能です。この情報をもとに、バリアフリー化や手すりの設置、照明の改善など、予防的な環境整備を計画的に進められます。
家族の精神的負担を軽減できる
同居していない高齢者の様子を確認できないことは、家族にとっては不安が増す要因となります。見守りサービスを利用することで、各々のタイミングでの安否確認が可能になり、不安を大幅に軽減できるでしょう。
特に遠距離介護をしている方にとって、緊急時の体制が整っていることは大きな安心につながります。センサーやカメラの使用、緊急通報システムなどにより、異変があった際にも専門スタッフが迅速に対応するため、家族が駆けつけるまでの初期対応を任せられます。
高齢者見守りサービスを利用するデメリット
高齢者見守りサービスの利用には、「費用がかかる」「監視されているように感じる」といったデメリットもあります。
費用がかかる
高齢者見守りサービスを利用する際は、機器の購入や契約料にあたる初期費用や月額利用料がかかります。サービスの種類ごとの相場を以下の表にまとめています。
サービスの種類 | 初期費用の相場 | 月額利用料の相場 |
訪問型・宅配型見守りサービス | ー | 2,000〜3,000円程度 |
センサー型 | 60,000〜100,000円程度 | 3,000円程度 |
オート電話・オートメール型 | 0〜2,000円程度 | 固定電話:800円程度 携帯電話:1,500円程度 |
カメラ型見守りサービス | 50,000円程度 | 8,000円程度 |
これらの費用は、サービス提供会社によって設定金額が大きく異なります。また、自治体から費用の助成を受けられるケースもあるため、実際に利用する際はサービス提供会社やお住まいの自治体に確認しましょう。
監視されているように感じる
カメラ型やセンサー型のサービスでは、高齢者本人が「監視されている」と不快感を抱くこともあります。家族との関係性にも影響を与える可能性があるため、導入前には本人ともよく相談する必要があるでしょう。さらに、機器の操作に不安を感じる高齢者も多く、せっかく導入しても十分に活用できないケースもあります。家族としては安心できる一方で、高齢者本人の自尊心や生活の質を損なう可能性があることを考慮しなければなりません。
高齢者見守りサービスを選ぶ際の注意点
高齢者見守りサービスを選ぶ際には、以下の3つの注意点があります。
- 本人の意向を確認する
- 環境や本人の本人の生活スタイルにあったサービスやツールを利用する
- 専門家に相談する
これらの点に注意し、適切なサービスを選びましょう。
本人の意向を確認する
一人暮らしの高齢者のなかには、長年自分のペースで自由気ままに生活してきた方も多くいます。見守りが必要になったからといって、訪問者が増えたり、カメラやセンサーを設置したりすることに対して「監視されている」という抵抗を感じることもあるでしょう。
そのため、導入前に使用する機器や必要性について丁寧に説明し、本人の理解を得ることが重要です。プライバシーへの配慮を示しながら、段階的な導入を検討するのもひとつの方法です。
環境や本人の意向に合ったサービスやツールを利用する
見守りサービスには、人が実際に見守りをする訪問型から、カメラやGPS端末のような機器を活用したものまで、さまざまな選択肢があります。本人の身体状態や認知機能、自宅の間取りや設備状況など、個々の環境に合わせた最適なサービスの選択が大切です。また、本人が使いやすいと感じるツールを優先することで、継続的な利用が可能になります。
専門家に相談する
見守りサービスの導入に悩む場合は、専門家のアドバイスを受けることも考えてみましょう。地域包括支援センターや担当のケアマネジャーは、地域の見守りサービスに精通しており、個々の状況に応じた適切な提案をしてもらえます。家族だけで考えても答えがでないときは、専門家に相談することでスムーズに解決できる場合もあります。
なお、一般社団法人 終活協議会 / 想いコーポレーショングループでも、電話やLINEを活用した高齢者の見守りサービスを提供しています。月額費用はかからず、10,000円の心託会員への入会のみで利用が可能です。
地域社会との関わりのなかでも高齢者見守りは可能
地域社会との密接な関わりも、高齢者の安全と健康を支える方法のひとつです。地域のイベントや趣味のサークル活動への参加は、自然な形での安否確認につながります。定期的な活動を通じて、周囲の人々が健康状態の変化に気づきやすくなるという利点もあるでしょう。
また、気の合う仲間との交流は、孤立防止だけでなく、生きがいづくりにもつながります。将来的に見守りサービスの導入を検討しているという方でも、今のうちから地域活動に参加していくことで、自然に見守りをしあえる関係性をつくれます。まずは地域活動へ参加することから始めてみるのもよいでしょう。
一般社団法人 終活協議会 / 想いコーポレーショングループの高齢者見守りサービス
一般社団法人 終活協議会 / 想いコーポレーショングループが提供する高齢者見守りサービスは、電話またはLINEを活用した安否確認システムです。2024年7月からは、従来の電話による見守りに加えて、LINEを使用した見守りサービスも開始されました。
このサービスの特徴は、利用者が指定した時間(10:00、12:00、15:00から選択可能)に電話かLINEで安否確認の連絡が入ることです。LINEを利用する場合は、「元気です」または「相談があります」のいずれかを選択して応答でき、相談が必要な場合はスタッフが電話で対応します。カメラやセンサーなどの機器設置が不要なので「監視されている」という抵抗感がありません。
心託会員として入会することで利用できるこのサービスは、入会金10,000円(税込)のみで永続的に利用可能です。月額費用は必要ありません。さらに、一般社団法人 終活協議会 / 想いコーポレーショングループでは、見守りサービスに加えて、以下のサービスもひとつの窓口で相談できます。
- 健康相談
- セカンドオピニオンの手配
- 生前・遺品整理の相談
- 身元保証
- 死後事務代行
資料請求はいつでも可能です。まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
高齢者の一人暮らしが増加するなか、見守りサービスは離れて暮らす家族の不安を軽減させる大切なサービスとなっています。訪問型やセンサー型、カメラ型など、さまざまなサービスのなかから、高齢者本人の生活スタイルや希望に合わせて選択することが大切です。
また、見守りサービスの導入に際しては、本人の意向を尊重し、プライバシーに配慮しながら段階的に進める必要があります。地域活動への参加など、自然な形での見守り体制を築くことも効果的な方法のひとつです。
一般社団法人 終活協議会 / 想いコーポレーショングループでは、カメラやセンサーを使用せず、電話やLINEで安否確認をおこなう見守りサービスを提供しています。入会金のみで永続的な利用が可能です。見守りサービスについて詳しく知りたい方は、ぜひ資料請求をご検討ください。専門スタッフが丁寧にご説明いたします。
監修
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