就職時に身元保証人が必要なケースがありますが、企業が身元保証人を求める理由について気になりますよね。
いざ企業に就職した場合、身元保証人が必要となるケースは少なくありません。ただ中には、「なぜ身元保証人が必要になるのか」「誰に頼むべきなのかわからない」という人も多いかと思います。
そこで本記事では、就職の時に身元保証人が必要になる理由や抑えておくべきポイントをまとめました。身元保証人がいない時の対処法もまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
就職時に身元保証人が必要になるシーンはある?
内定が決まり企業に就職をする際、身元保証人が必要になるケースも少なくありません。国が定めた法律ではありませんが、企業側のルールで身元保証人を立てる場合もあるのです。
仮に、企業から身元保証人を求められたにもかかわらず無視してしまうと、入社できない可能性があります。そのため、就職時に身元保証書の提出を求められた際には、必ず保証人を決めて提出しましょう。
就職時に企業が身元保証人を求める理由
法律で定められていないにもかかわらず、企業が身元保証人を求める理由は主に以下の2つです。
- 身元がしっかりした人物であることを証明するため
- 会社で多大なる損害を引き起こした際に連帯責任をとってもらうため
それぞれ詳しく解説していきます。
身元がしっかりした人物であることを証明するため
身元保証人が必要となる1つ目の理由は、身元がしっかりした人物であることを証明するためです。
企業側も新しい人を採用するにあたって、少なからず不安を抱えています。
- 正社員として長期間働いてくれるだろうか
- 社内で何か問題を起こさないだろうか
- 人間性の部分で問題はないだろうか
正社員として働き始めても、途中で無断欠席をしたり仕事面で問題を起こす人も少なくありません。いくら面接をして内定を出したとしても、安心はしきれない部分があります。
そのような時に身元保証人を設けておけば、「身元がきちんとしている」という保証をつけれることから安心できるのです。採用される側としては複雑な気持ちになるでしょうが、企業側も会社を守るために身元保証人を設けるケースがあります。
会社で多大なる損害を引き起こした際に連帯責任をとってもらうため
身元保証人が必要となる2つ目の理由は、会社で多大なる損害を引き起こした際に連帯責任をとってもらうためです。
例えば、正社員として働いている人が企業に対し金銭面で多大なる損害を与えた場合、損害賠償を求める場合があります。会社側にも責任があるので全額を賠償する必要はないものの、問題を起こした張本人にも責任が問われる可能性もあるのです。
しかし、損害賠償金が高すぎると本人だけでは支払えないケースも少なくありません。そのような時に身元保証人がいれば安心するという理由で、企業は身元保証人を求めてくるのです。
就職時の身元保証人は誰に頼むべき?
就職時に必要となる身元保証人は、誰でもいいわけではありません。ほとんどの場合、社員の両親や親戚を選ぶケースがほとんどです。
ただし、身元保証人を選ぶ際には「損害賠償責任を負えるかどうか」が最も重要となります。
身元保証人は両親や親戚を選ぶのが一般的
身元保証人を求められた場合、一般的には企業側から「身元保証人は自身の両親や親戚を選ぶように」と指示されます。なぜなら、親や親戚であれば何かあった際にはすぐ連絡でき、状況を説明しやすいというメリットがあるからです。
基本的に保証人の人数は1人で十分ですが、企業によっては2人以上を求める場合もあります。もし2人目以降を選ぶのに難航した場合、条件を満たしていれば兄弟姉妹や配偶者、友人などを指定しても問題ありません。
選ぶ基準値は「損害賠償責任を負えるかどうか」
身元保証人を選ぶ基準値としては、損害賠償責任を負えるかどうかです。一般的には家族や親戚が選ばれるものの、企業側としては「万が一の時に損害賠償金を支払えるかどうか」に重きを置いています。
なので、身元保証人を依頼する場合には、必ず詳しい説明をしてから了承をもらいましょう。
身元保証人を依頼する場合の注意点
身元保証人を誰かに依頼する場合、以下の点に注意しておきましょう。
- 身元保証人には責任の範囲を説明しておく
- 身元保証期間を確認しておきます
- 身元保証人は解除できることを伝える
それぞれ詳しく解説していきます。
身元保証人には責任の範囲を説明しておく
身元保証人を依頼する場合、責任の範囲を正しく説明しておきましょう。もし何も説明せずに依頼をしてしまうと、トラブルを引き起こしてしまう場合もあります。
例えば、身元保証人と連帯保証人を一緒に捉えてしまう人も少なくありません。連帯保証人は企業で働く本人が悪いことをした場合、保証人に責任が問われます。一方で、身元保証人は働く本人が悪いことをしたとしても責任は問われません。
会社に損害を与えた際に責任を問われる場合があるものの、企業が社員に対して損害賠償を請求することはごく稀です。「保証人」と聞くだけで勘違いをするケースも多いので、正しい情報を説明するようにしましょう。
身元保証期間を伝えておく
依頼する前に、身元保証期間も確認しておきましょう。会社の入社時、身元保証書を提出すれば保証人を定められますが、有効期限があります。
実際に身元保証書の有効期限は、最長5年と決まっています。
有効期間の定めがない場合もありますが、長くても3年です。(※商工業見習者は5年)
期限がすぎると更新はできるものの、ほとんどのケースで保証書の更新は行われません。
身元保証人は解除できることを伝える
身元保証人は連帯保証人とは違って、条件を満たせば途中で解除ができます。解除できる条件は以下の通りです。
- 保証人を立てた張本人が損害賠償責任を負った場合
- 職場が変わった場合
上記を満たせば、比較的簡単に身元保証人が解除できます。保証人となってもらう人に安心してもらうためにも、必ず説明しておくようにしましょう。
就職時の身元保証人を頼める人がいない場合の対処法
会社に就職をする際に身元保証人が必要だとわかったものの、中には「保証人を頼める人がいない」というケースもあります。
そのような時は、以下の方法で対処するようにしましょう。
- 会社の人事に相談をする
- 身元保証会社にて「保証人代行サービス」を利用する
それぞれ詳しく解説していきます。
会社の人事に相談をする
何かしらの事情で身元保証人を頼める人がいない場合、まずは会社の人事に相談をするようにしましょう。
身元保証人がいない状態であれば、身元保証書を提出することはできません。何も言わずに手続きを進めてしまうと会社に入社できない可能性も出てくるので、まずは相談をすることが大切です。
会社によって身元保証人の条件はさまざまですが、友人や知人を選んでいいケースもあります。両親や親戚、兄弟姉妹をかならず保証人にしなくてはいけないルールはないので、よく相談をして決めていきましょう。
身元保証会社にて「保証人代行サービス」を利用する
どうしても身元保証人が必要となった場合、身元保証会社にて「保証人代行サービス」を利用する手段も視野に入れましょう。主には身元保証人がいない人に向けたサービスで、その名の通り、保証人を代行してくれるサービスになります。
もちろん誰でも利用できるわけではなく、利用する際には書類審査を通過しなくてはいけません。書類審査が無事通り、数万円の費用を支払えば身元保証を請け負ってくれます。
ちなみに就職時だけでなく、賃貸物件を借りるときなどにも利用可能です。「保証人代行サービス」は世間からも正式に認められているサービスなので、どうしても身元保証人がいない場合は利用を検討してみましょう。
まとめ
就職時、身元保証人が必要になるシーンについて解説していきました。
会社から身元保証人を求められた場合は、かならず保証人を立てなくてはいけません。後のトラブルを減らすためにも、保証人となってもらう人には詳しい情報を説明することが大切です。
身元保証人とは?〜保存版〜
監修
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1969年生まれ、大阪出身。
2012年にテレビで放送された特集番組を見て、興味本位で終活をスタート。終活に必要な知識やお役立ち情報を終活専門ブログで発信するが、全国から寄せられる相談の対応に個人での限界を感じ、自分以外にも終活の専門家(終活スペシャリスト)を増やすことを決意。現在は、終活ガイドという資格を通じて、終活スペシャリストを育成すると同時に、終活ガイドの皆さんが活動する基盤づくりを全国展開中。著書に「終活スペシャリストになろう」がある。
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