近年、少子高齢化が進み、人生100年時代といわれるなか、終活は自分の人生をより豊かに過ごすための重要な準備のひとつとして注目されています。自分自身の将来設計だけでなく、親の老後の備えや仕事のキャリアアップのために、終活に関する資格を取得しようと考える方もいるでしょう。
しかし、「具体的に何をすればいいのか」「どんな資格があるのか」など、疑問に思う方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、終活に関する資格の特徴やメリットを解説します。終活に興味がある方や、具体的な行動に移したい方などの参考になるため、ぜひ最後までお読みください。
目次
そもそも終活とは
若いうちから少しずつ始めておくことで、より自分らしい終活を進められます。終活について詳しく知りたい方は、別記事『終活とは?「終活やることリスト10選」をご紹介!始める年齢や注意点まで解説』をご参照ください。
終活に関する5つの資格
2024年現在、日本には終活関連の資格は多数ありますが、国家資格はありません。終活に関係する団体ごとに実施しているため、内容や費用がそれぞれ異なる特徴を持っています。ここでは、代表的な以下の5つの資格について紹介します。
- 終活ガイド資格
- 終活アドバイザー
- 終活カウンセラー
- 終活ライフケアプランナー
- 終活ライフコーディネーター
それぞれ詳しく見ていきましょう。
終活ガイド資格
資格名 | 終活ガイド資格 |
---|---|
試験内容 | 3級、2級:動画視聴、Webテスト 1級:通信講座受講、Webテスト |
資格を取るメリット | 終活の基礎知識から実践的なスキルを身につけられ、終活関連ビジネスでキャリアアップも見込める |
受講料 | 3級:無料(認定証は3,000〜5,000円) 2級:5,000円(認定証は3,000〜5,000円)1級:50,000円(認定証は無料) |
更新料 | 3級、2級:なし 1級:年会費 3,300円(初年度無料) |
合格率 | 非公開 |
終活ガイド資格は、一般社団法人終活協議会が認定する資格です。終活の基礎知識から実践的なスキルなどを体系的に学び、自身や周囲の人々の終活をサポートできる人材の育成を目的としています。
資格には3級、2級、1級の3つのレベルがあり、それぞれ習得できる知識とスキルが異なります。3級では終活の基礎知識を学び、2級で身につくのは、アドバイザーとして他者の終活をサポートできるレベルの知識です。1級になると、終活に関する幅広い知識を持ち、セミナー講師やコンサルタントなど、専門家として活躍できるようになります。
終活について学びたい方、自身のスキルアップを目指す方、セカンドキャリアを考えている方におすすめの資格です。
終活ガイド資格について詳しく知りたい方は、以下をご参照ください。
終活ガイド資格
終活アドバイザー
資格名 | 終活アドバイザー |
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試験内容 | 終活アドバイザー講座の受講、検定試験 |
資格を取るメリット | 終活に関する幅広い知識やエンディングノートの活用方法が身につく |
受講料 | 35,000円 |
更新料 | 入会金 4,000円、年会費 6,000円 |
合格率 | 非公開 |
終活アドバイザーは、NPO法人ら・し・さの終活アドバイザー協会が認定する資格です。この資格は、終活に関する幅広い知識とエンディングノートの活用法を学び、自身や他者の終活をサポートできる専門家を育成することを目的にしています。
資格取得の際に受講するのは、ユーキャンの通信講座です。講座では、基礎知識から相続、財産管理、医療、介護など多岐にわたる内容を学びます。
この資格を持つことで、終活全般に関する専門的なアドバイスが可能となり、人々のより良い人生の締めくくりをサポートする役割を担えるようになるでしょう。終活について学びたい方や、親や自分の老後に備えたい方、仕事で終活の知識を活かしたい方に向いています。
終活カウンセラー
資格名 | 終活カウンセラー |
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試験内容 | 2級:約6時間の講習、筆記試験 1級:事前レポート、講習(2日)、筆記試験認定終活講師:講習(5日)、筆記試験 |
資格を取るメリット | 終活に関する相談者の悩みに答えるためのスキルが身につく |
受講料 | 2級:16,000円 1級:45,000円(オンライン 50,000円)、別途事前審査費 3,000円認定終活講師:30万円 |
更新料 | 5,000円(2年目以降) |
合格率 | 2級:90% 1級:非公開 |
終活カウンセラーは、一般社団法人終活カウンセラー協会が認定しています。終活に関する幅広い知識を持ち、相談者の悩みを丁寧にヒアリングして、どのような専門家が必要かを見極める「シニアのお困りごと案内人」です。
終活カウンセラーは、相談者の悩みに的確に答えるためのスキルを習得し、シニア世代のさまざまな困りごとに対応できる専門家として活躍しています。終活に関する相談はもちろん、高齢者の生活全般をサポートしたり、介護施設や医療機関、葬儀社などの業界でも重要な役割を担っていけるでしょう。
短期間で終活の知識を習得したい方や、高齢者の悩みに寄り添うスキルを身につけたい方などにおすすめの資格です。
終活ライフケアプランナー
資格名 | 終活ライフケアプランナー |
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試験内容 | 協会指定の教育訓練、試験 |
資格を取るメリット | 葬儀、金融・保険、医療・福祉など多くの業界で、終活のアドバイスやサポートができるようになる |
受講料 | 養成講座:63,800円 受験料:5,600円 |
更新料 | なし |
合格率 | ほぼ100%(テキストを見ながら受験可能) |
終活ライフケアプランナーは、日本能力開発推進協会(JADP)が認定する資格です。この資格保持者は、終活をしたい方を支援するために必要な知識を熟知し、終活の有効性を伝えたり、必要なサポートやアドバイスができたりするスキルを証明するものです。
この資格を取得することで、保険・金融・不動産・葬儀関連・医療・福祉などの業界で、専門的な知識とスキルを活かすことができます。また、終活を考える人々に寄り添い、その人らしい人生の締めくくりをサポートする役割を担うことができるでしょう。
終活ライフケアプランナーは、終活に関心がある方、自身や家族の終活について学びたい方、終活関連業界で働く方、キャリアアップを目指す方におすすめです。高齢化社会が進むなか、終活のニーズはますます高まると予想されるため、この資格の価値は今後さらに高まっていくと考えられます。
終活ライフコーディネーター
資格名 | 終活ライフコーディネーター |
---|---|
試験内容 | 協会指定の講座 |
資格を取るメリット | 終活に関するセミナーの開催や、指導ができるようになる |
受講料 | 35,200円 |
更新料 | なし |
合格率 | 非公開 |
終活ライフコーディネーターは、日本能力教育促進協会が認定する資格です。この資格は、ライフプランニングの知識を活かし、個人のライフスタイルや価値観に合わせた終活をサポートする専門家を育成します。
主な役割は、終活の心構えから人生の終焉に向けての事前準備まで幅広く対応することです。具体的には、お墓や葬儀、医療、遺産相続、資産管理、エンディングノートの作成支援などが含まれます。また、家族とのコミュニケーションを通じて、人間関係や価値観の見直しをサポートし、より充実した人生を送るためのライフプラン設計をお手伝いします。
終活のニーズは今後も高まると予想されるため、自身や家族の終活について学びたい方、終活関連業界で働く方、セカンドキャリアを考えている方におすすめの資格です。
終活の資格を取る3つのメリット
終活に関する資格を取得することで、自分自身や家族の未来をより豊かにすることができます。ここでは終活の資格を取得するメリットについて、以下の3つを紹介します。
- 仕事のスキルアップができる
- 親や自分の老後の備えができる
- 家族とのコミュニケーションの機会になる
ひとつずつ解説します。
仕事のスキルアップができる
終活の資格を取得することで、仕事に活かせるさまざまなスキルを身につけられます。たとえば、終活アドバイザーの資格を持っていれば、お客様一人ひとりのライフプランや価値観を尊重しながら、終活に関する幅広い相談に対応できます。相談者の不安を取り除き、安心できる人生設計をサポートする仕事は、社会貢献にもつながり、大きなやりがいを感じられるでしょう。
また、介護施設や医療機関などの業界で働く人にとって、終活に関する知識は顧客満足度向上やサービスの質向上に直結します。終末期ケアや医療に関する専門的な知識を深めることで、より質の高いサービスを提供できるようになり、ご利用者ご家族からの信頼を得やすくなるでしょう。
このように、終活の資格を取得することは、自身のキャリアアップだけでなく、所属する組織の発展にも寄与する有意義な投資といえます。
親や自分の老後の備えができる
終活に関する知識を深めることで、自分自身や家族の老後について、より具体的な計画を立てられるようになります。たとえば、エンディングノートの作成方法や、医療に関する希望の伝え方などを学ぶことで、いざというときに慌てずに対応できるでしょう。
また、家族と終活について話し合う機会を増やし、お互いの想いを共有することで、より安心できる老後を迎えられます。さらに、終活に関する資格の取得により、相続や遺産分割に関する知識も深められるでしょう。
相続トラブルを未然に防ぎ、家族間の円満な関係を築くことができ、不動産の売却や贈与など、財産に関する手続きを進める際にも役立ちます。
家族とのコミュニケーションの機会になる
終活は自分自身だけでなく、家族にとっても非常に重要なテーマです。
終活の資格を取得することで、家族と積極的にコミュニケーションをとるきっかけとなり、お互いの想いを理解し合える良好な関係を築けるようになるでしょう。
たとえば、家族全員でエンディングノートの作成に取り組むことで、それぞれの価値観や希望を共有し、相互理解を深められます。
終活について話し合うことは、人生の意味を改めて考えるきっかけにもなるでしょう。
また、終活の資格取得を通じて、家族の介護や看取りに関する知識も身につけられます。その知識を活かして、家族が安心して介護に携われるようなサポートが可能になります。
さらに、終末期の医療に関する意向や相続など、普段は話しにくいテーマについても、終活の知識があれば自然と話題にできます。これらの話し合いを通じて、家族の絆がよりいっそう深まることでしょう。
終活に関する資格の選び方
終活の資格は多種多様で、実際に取得を考えるときには、具体的にどの資格にするべきか悩むこともあるでしょう。ここでは、終活の資格の選び方を3つ紹介します。
- 目的や資格の活用方法で選ぶ
- 資格取得に必要な時間や費用で選ぶ
- 更新の有無、費用で選ぶ
目的や資格の活用方法で選ぶ
終活に関する資格を取得する目的は、人それぞれです。仕事で活かしたいのか、親の老後に備えたいのか、それとも自分のためなのか。
仕事で活かしたい場合は、お客様に具体的なプランを提案できる終活アドバイザーがおすすめです。一方、家族のサポートを中心に考えている方には、家族の終活を支援できる終活ガイド資格が適しています。
資格取得に必要な時間や費用で選ぶ
終活の資格を選ぶ際は、取得に必要な時間と費用を考慮することが重要です。通信講座や対面式講座など、学習方法によって必要な時間や費用は大きく異なります。
また、試験の難易度もまちまちです。自分のライフスタイルや経済状況に合わせて、無理なく続けられる学習方法を選ぶことが、資格取得への近道となるでしょう。
更新の有無、費用で選ぶ
終活の資格を選ぶ際は、更新の有無と費用も重要な判断材料です。なかには定期的な更新が必要な資格もあり、その際には費用がかかることも多くあります。取得を考える際に、資格取得前に更新の有無や費用を確認しておくとよいでしょう。
更新が必要な資格の場合、常に最新の知識を習得する必要がありますが、これは資格取得後の学びの継続につながり、専門家としてのスキルアップに役立ちます。
終活関連の資格の勉強方法
終活関連の資格の勉強には以下のような方法があります。
- 独学
- スクール
- オンライン講座
それぞれのメリット・デメリットを比較し、自分に合った学習方法を選びましょう。
独学で勉強する方法
独学は、自分のペースで好きなときに勉強できる点が大きなメリットです。参考書や問題集を参考にしながら、自分のペースで学習を進められます。
しかし、モチベーションの維持が難しかったり、疑問点を一人で解決するのが難しかったりするデメリットもあります。また、終活アドバイザーのように指定の通信講座を受けなければならない資格もあるため注意が必要です。
スクールに通う
スクールでは講師から直接指導を受けられ、疑問点をすぐに質問できるため、短期間で効率的に学習できます。同じ境遇の受講生と交流もできるため、モチベーション維持にも役立つでしょう。
ただし、費用が高く、時間が固定されるデメリットもあります。
オンライン講座の活用
オンライン講座は、パソコンとWi-Fi環境があれば、時間や場所に縛られず、自分のペースで学習できます。講座の種類も多様で、自分のレベルや目的に合ったものを選べるでしょう。ただし、自分でカリキュラムを進めるため、モチベーション維持が難しく、講師とのリアルタイムなやり取りが難しいデメリットもあります。
終活関連の資格なら「終活ガイド資格」がおすすめ
終活関連の資格取得を目指すなら、「短期間で取得できること」「サポート体制が充実している」ことから、終活ガイド資格の取得がおすすめです。
短期間で取得可能な終活ガイド資格の特徴
終活ガイド資格は、短時間で取得できる点が大きな魅力です。基礎知識を学ぶ3級は平均1時間、他者へのアドバイスが可能になる2級でも、平均3時間の学習で取得可能なため、忙しい方でも無理なく挑戦できるでしょう。
学習方法も柔軟で、動画やZoomを活用した遠隔学習により、いつでもどこでも自分のペースで学習できます。また、3級から1級まで段階的に学べるカリキュラム構成で、自分の理解度に合わせて無理なくステップアップできる点も特徴です。
取得後のサポートも充実
終活ガイド資格の魅力は、取得後のフォローが充実している点です。特に1級取得者には、終活ガイドとして活動するためのバックアップ体制が整っており、本部から活動のためのノウハウや最新情報が提供され、セカンドキャリアとしての活動もサポートされます。
この資格を活かせば、高齢者施設や福祉関連の職場での相談業務、終活セミナーの講師、個人コンサルタントとしての独立など、さまざまな分野で活躍できるでしょう。高齢化社会が進むなか、終活の需要は今後さらに高まると予想されるため、終活ガイド資格の価値は上昇していくと考えられます。
終活ガイド資格の詳しい解説はこちらからご覧ください。
終活に関する資格を取得して親や自分の老後に備えよう
本記事では、終活に関する5つの資格について、その特徴や取得方法、メリットなどを解説しました。終活の資格を取得するメリットとしては、仕事のスキルアップ、親や自分の老後の備え、家族とのコミュニケーションの機会になることが挙げられます。資格の選び方は、目的や活用方法、取得に必要な時間や費用、更新の有無などを考慮して決めましょう。
一般社団法人終活協議会の終活ガイド資格では、終活に関する専門的な知識を学ぶことができ、自分や親の老後の準備をスムーズに始められるでしょう。短期間で取得が可能で、取得後のサポート体制も充実しているため、終活に興味がある方や、具体的な行動に移したい方などは、ぜひ資格取得を検討してみてください。
監修
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