2023年5月13日

身元保証人がいない!誰にどうやって頼めばいいのか

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就職や入院、施設入居などの際には、一般的に「身元保証人」が求められます。

身元保証人とは「自分の身元を保証する第三者のこと」であり、基本的にはご家族に任せることがほとんどです。

しかし、少子高齢化が進み一人暮らし世帯が増えてきている中で、頼れる家族や親族、知人との関係性が希薄となり、身元保証人となってくれる方がいないケースが近年増えています。

そこで、この記事ではなぜ身元保証人が必要になるのか、家族を頼れないときにどうやって身元保証人を準備するのか解説していきます。

身元保証人がいないと困る…身元保証人が必要になる場面とは?

身元保証人は、長い人生、就職や入院など、重要なライフイベントで必要となることが多いです。身元保証人がいないと困ってしまうような場面をいくつかあげます。

就職する際の入社手続き

企業から内定をもらった後の入社手続きの際に身元保証人が必要です。入社書類を準備する際に身元保証人を誰にするか記入する書類(身元保証書)への記入と提出を求められることがほとんどです。

賃貸物件への入居手続き

賃貸物件に入居する際に身元保証人が必要です。身元保証人が最近は斡旋する不動産会社(管理会社)が賃貸時の身元保証会社(身元保証代行)を紹介することが多く、身元保証人を必要としないケースも少しずつも増えてきました。

病院への入院手続き

病院での診察の場面で必要になることはありませんが、もし重い病気を患ったり、大きなケガをしたりと「入院」することになった場合に身元保証人が必要です。大抵は入院手続きの書類(入院申込書や契約書)に身元保証人を記入する欄があります。

介護施設への入居手続き

自宅介護が困難になり、もし介護施設への入居を検討します。その際に身元保証人が必要となります。入居手続きの際の入居申込書に身元保証人を記入する欄があります。

そもそも身元保証人はなぜ求められるの?役割・責任について

身元保証人がいないと、身元保証人の記入欄さえなければ…などとついつい考えてしまいますが、身元保証人には相手方にとって非常に大切な役割があります。

身元保証人がいったい何をする人物なのか、一般的な役割や責任についてご説明します。

身元(本人の素性)の保証

「身元保証人」という言葉からわかる通り、「身元(本人の素性)」を保証する役割、言い換えると、その人が誰であるのか、実在する人物であるかを相手に対して保証する役割があります。

余談ですが、第三者に身元を保証してもらう必要があるので、身元保証書は本人が自分で書くことはできません。必ず身元保証人となる方本人の直筆で書いてもらう必要があります。

本人に何かがあった時の緊急連絡先

身元保証人は、本人に何かがあった時(例えば病気、事故など)の緊急連絡先となります。場合によっては、駆けつけを求められることもあります。特に医療施設や介護施設における身元保証人にはこの役割が強いです。

本人の債務の連帯保証

本人が相手に対して何か損害を加えたり、相手からの請求に対して支払いが滞ったりした場合に、身元保証人が連帯して負担します。身元保証人の役割の中でも、この金銭保証の意味合いが比較的重いです。

本人に代わる意思決定

病気や事故で寝たきり状態になる等で何らかの事情によって、本人と意思疎通ができなくなってしまった場合に、身元保証人が代わって意思決定を行います。なお、医療行為への同意は原則本人のみとなるので注意が必要です。

本人の身柄や荷物の引き取り

本人が死亡した場合などに、本人の身柄や荷物の引き取りを行います。

番外:身元保証人は「期間」と「解除権」が定められています

実は、身元保証人の責任の範囲は「身元保証ニ関スル法律」により、以下のように限られています。

【身元を保証する期間】

3年もしくは5年です。「その後は自動更新」ということはなく、更新したとしても契約期間は最長で5年となり、期間が限定されています。

【解除権】

身元保証人を頼まれた方には、以下の要件を満たした場合に身元保証人の解除権が認められています。

  • 本人が損害を与える恐れがある場合
  • 本人の契約内容が変更になった場合

身元保証人を守る法律があるため、実際に金銭保証をすることになっても、身元保証人の負担は少ないといわれています。

身元保証人と似ている用語

例えば「身元引受人」「連帯保証人」「後見人」ですが、それぞれ身元保証人とは役割や責任が異なります。

よく書面上で混同されているケースもあるので、どんな責任や役割を担うことになるのか、契約時に担当者に説明してもらいましょう。

また、責任や役割が異なるので、身元保証人とは別に1人立てるようにお願いされるケースもあります。「身元引受人」「連帯保証人」「後見人」がいれば、身元保証人がいなくてもいい(身元保証人の代わりになる)というわけではないのでご注意ください。

身元引受人

身元引受人は特に医療施設・介護施設に入居する際に必要で、本人が退所する場合や亡くなった場合に、身柄を引き取る責任がある人という意味で使われることが多いです。

先述の通り、身元保証人の役割として身元引受が必要になったら対応しなければならないので、身元保証人には身元引受人の役割が内包されています。

ただし、身元引受人を身元保証人の意味合いで使うなど、身元引受人と身元保証人が明確に区別されていないケースもあるので注意しましょう。

連帯保証人

連帯保証人は、債務者(本人)が債務(支払わないといけない義務)を果たさない場合に、本人に代わってすべての責任を連帯で背負い、債務を果たさなければいけない人のことです。

連帯保証人は身元保証人と比べて金銭保証を行うという意味合いが強く、緊急連絡先や身元引受の役割は担わないことが多いです。

なお連帯保証人も身元保証人も上限額(「極度額」といいます)の設定が義務付けられていますので、無制限に債務を負うわけではありません。

後見人

後見人とは、判断能力が不十分な人を保護する人のことです。後見人は本人に代わって財産管理や身上監護(介護や入院など日常生活で必要な契約行為を代理)を行います。

なお、財産を守るはずの後見人が、いざというときに金銭の保証も行う身元保証人になると「利益相反」という関係が成立してしまうため、後見人は身元保証人になることができません。

身元保証人には「条件」があり、身元保証人になれる人が決まっている

ここまで身元保証人に求められる役割について説明してきましたが、身元保証人は誰にでもお願いできるわけではありません。

まず、身元保証人には本人の素性を保証する役割があるので、大前提として家族や友人など「本人と面識がある」という条件があります。

また、身元保証人には金銭保証の役割が含まれるので、一般的には「経済的に自立している人」を条件として求められることが多いです。

自立さえしていれば年金暮らしの方でも身元保証人として問題ないこともありますし、残念ながら高齢で立ち行かないことを理由に身元保証人として不適当といわれてしまうこともあります。

身元保証人をお願いする際の注意点

身元保証人をお願いする際は当然ですが、依頼する人の了承を得てからサインしてもらってください。まれに無断で名前を借りる方もいますが、トラブルの原因となります。

身元保証人は「借金の連帯保証人」を連想しやすいので、ネガティブな意味で捉えられてしまうことが多いです。同居する家族よりは付き合いの乏しい、遠方の親戚や友人に身元保証人をお願いする際は、特に慎重かつ丁寧に伝えることが大切です。

実際にお願いする場合はこの記事を見ながら、身元保証人の役割について説明しましょう。そして身元保証人に期間が限定されていること、解除が可能なことを伝えて、不安感を取り除きつつ、身元保証人になってくれないかお願いしましょう。

身元保証人がいないとどうなる?

身元保証人を頼めそうな人がいない場合、次のようなことが起こります。

就職が難しくなる

企業側が、身元保証人がいないことを理由に内定を取り消すようなことはできないのでご安心ください。ただし、企業側は「どうしても身元保証人を用意してほしい」「遠方の親戚を頼れないか」などと要望をしてくると思います。企業や遠方の親戚とのやり取りで時間がかかり、スムーズに入社手続きを進めるのが難しくなります。

病院や介護施設の受け入れが難しくなる

病院や介護施設の場合であっても、身元保証人がいないことを理由に入院や施設入居を拒むことはできないのでご安心ください。ただし、やはり身元保証人を用意してほしい病院や介護施設側との折り合いがつかずに手続きが難航します。命や生活にかかわることですので手早く進めたい手続きですが、スムーズな受け入れは難しくなります。

身元保証人がいない場合の対処方法

人生において身元保証人がいないと困る場面も多いです。身元保証人がいない場合の対処方法をご紹介します。

遠方の親族や友人に依頼する

今すぐに身元保証人を探す必要がないなら、準備をしておきましょう。親族付き合いや友好関係を維持するのは面倒と思うかもしれませんが、いざというときに助け合える相互扶助の関係を維持することに等しいです。

月に1回手紙を出すなど普段から可能な限り仲良くしておけば、身元保証人になってくれるかもしれません。また、上京後独身で知り合いがいなかったり、家族と死別していたりする場合は一緒に趣味を楽しむ友人を作ることから始めてもよいかもしれません。

身元保証会社を利用する

“身元保証人がいない場合、身元保証人を代行する会社を利用する方法もあります。身元保証会社は、身元保証人がいない方を対象に、有料で身元保証人の代行サービスを提供しています。身元保証人が必要となる場面での対応を円滑に進めてくれます。

身元保証会社を利用する際には、「料金や契約内容、沿革や資金管理方法などを見て信頼出来る会社であるか」を事前に注意深く確認して、自分に合った最も合った会社やサービスを選ぶ事が重要です。”

身元保証人が不要の病院や介護施設を探す

一部ではありますが、身元保証人を求めない病院や施設もあります。高齢者本人の信用や責任を重視しており、身元保証とは異なる方法で信用を確認して入院や入所を決めます。その為、身元保証人がいない高齢者本人が病院や介護施設を選ぶ際には、事前に身元保証人が必要かを確認して病院や介護施設を見つける必要があります。

しかし、総務省の高齢者の身元保証に関する調査(令和4年3月29日調べ)によると、病院や介護施設の9割以上が、入院・入所時には身元保証人を求めているとされています。つまり、身元保証人が不要な病院や介護施設を探すのは大変困難ですから、成年後見制度や身元保証会社を利用するのがおすすめです。

成年後見制度を利用することで入居できる施設を探す

一部の施設では成年後見制度を利用することで施設入居できる施設があります。ただし、そのような施設の数自体、現状かなり少ないと思ってください。

成年後見制度とは?メリットや手続き方法を業界関係者が分かりやすく解説

信頼ある身元保証サービスを提供しています

身元保証人がいない事は老後の困り事や不安となる為、心身共に元気な内から身元保証人を探す事が重要です。しかし今現在、身元保証人が身近にいない事から、このコラムに辿り着いた人が多いと思います。そんな身元保証人がいない現状を直ぐにでも解決する為には、身元保証サービスを利用することが最もおすすめです。

身元保証会社はご利用時に面倒な手続きが無く、身元保証人がいない事で起こる問題を全てサポートしてくれる為、遺族に迷惑を掛ける事がありません。しかし、身元保証会社は一般的には認知度がまだ低く、怪しいイメージを持つ方もいます。

その為、身元保証会社を選ぶ際には、「サービス内容や料金を明確化していて、豊富な実績がある」信頼出来る会社を選ぶ事が重要です。一般社団法人終活協議会は、身元保証に関する全ての内容に対応している専門プランを用意しており、20,000人以上の身元保証代行サービスの実績があります。また、サービス料金を明確化している為、追加費用やオプション費用と言った後から請求される事は一切ありません。

専門知識と実績豊富なスタッフが身元保証の疑問や悩みについて、丁寧にお答えしています。悪質な会社の様に無理矢理契約させる様な行為は一切無いので、気軽にお電話ください。また、365日(受付時間10:00~17:00)全国対応している為、現在身元保証人がいなくてお困りの方は迅速に対応しますので、是非ご連絡ください。

一般社団法人終活協議会の身元保証サービスについて

監修

竹内義彦
竹内義彦一般社団法人 終活協議会 理事
1969年生まれ、大阪出身。
2012年にテレビで放送された特集番組を見て、興味本位で終活をスタート。終活に必要な知識やお役立ち情報を終活専門ブログで発信するが、全国から寄せられる相談の対応に個人での限界を感じ、自分以外にも終活の専門家(終活スペシャリスト)を増やすことを決意。現在は、終活ガイドという資格を通じて、終活スペシャリストを育成すると同時に、終活ガイドの皆さんが活動する基盤づくりを全国展開中。著書に「終活スペシャリストになろう」がある。

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