エンディングノートは、自分の想いを伝え、大切な情報を残すために欠かせないアイテムです。しかし、エンディングノートという言葉は知っていても「具体的にどのようなものか」「何を書けばよいのか」を理解している人は多くありません。
そこで本記事では、エンディングノートに記載する基本の11項目や、選び方のポイントをわかりやすく解説します。遺言書との違いやよくある質問についても理解できるため、何から始めればいいかわからない方はぜひ参考にしてください。
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目次
エンディングノートとは
エンディングノートとは、自身に「もしもの事があったとき」に備えて、家族や友人に伝えたい情報や希望を書き留めておくノートです。介護や葬儀について自分の考えや死後のさまざまな手続きについて、遺族が困らないように「記録として残すノート」になります。
特に決まった形式はないため普通の大学ノートに記入したり、市販の専用ノートを使用したりするなど、活用方法はさまざまです。以下では、エンディングノートの役割や遺言書との違いについてご紹介します。
エンディングノートの役割
エンディングノートは、自分にもしもの事があったときに家族や友人に伝えるべき情報を残すための重要な役割を果たします。主に「財産内容・医療情報・葬儀・遺品整理に関する希望」や「家族に対する想い、気持ち」など、書きたいことを自由に書き残しておけるのが特徴です。
エンディングノートを書いておくことで、残された家族の負担を軽減したり、自分の最後の意思を確実に伝えたりできます。また、自分の人生を振り返り、残りの人生をより充実させるきっかけにもなるでしょう。
遺言書との違い
エンディングノートと遺言書は似ているようで異なる目的を持っていますが、最大の違いは法的効力の有無です。
遺言書は財産分与や後見人の指定など、法的手続きに関する意思を示す公的文書であり、公証役場での認証が必要です。一方、エンディングノートには法的拘束力がないため、より自由に幅広い内容を書き残しておけます。
理想は、エンディングノートと遺言書を併用すること。どちらも用意しておくことで、より現実的な終活の準備ができるでしょう。
エンディングノートに書く基本の11項目
エンディングノートに書く内容には、特に決まりはありません。自由に書いていただいても構いませんが、基本的な11項目を押さえておくことで、より充実した内容になります。以下に、エンディングノートに書くべき11項目を紹介します。
1.本人の基本情報
エンディングノートの最初のページには、以下のような自分自身の基本情報を記入します。
- 氏名
- 生年月日
- 現住所
- 固定電話番号
- 携帯電話番号
- 本籍地
- 個人番号(マイナンバー)
- 家族構成
- 学歴
- 職歴
- 資格・免許
これらの情報は、死後の手続きに必要不可欠です。また、家族構成や学歴、職歴、資格なども記しておくと、いざというときに役立ちます。
2.本人の医療情報
病気になったときに備えて、現在の健康状態や緊急時にどのように対応するのかといったことを整理しておくと、受診先や救急隊へ情報をスムーズに引き継ぐことができます。以下のような情報をエンディングノートに書き留めておくとよいでしょう。
- 身長・体重・血圧・血液型など
- かかりつけ医
- 持病、既往歴、常用薬、アレルギー
- 健康保険証の情報
- 介護保険証の情報
- 臓器提供の意思表示
3.財産の情報
エンディングノートには、預貯金や不動産、金融商品、保険、年金など、自分の財産に関する詳細な情報を記録します。口座番号や保管場所なども明記しておきましょう。ただし、盗難や紛失のリスクを考慮し、暗証番号のような機密情報は別途保管するほうが賢明です。
また、借金やローンといった負債についても漏れなく記載し、返済方法や処理方針を明確にしておくことで、相続トラブルを未然に防ぐことができます。遺族に負担をかけないためにも、財産情報の記録は欠かせません。
4.医療・介護の希望
医療や介護に関する希望は、判断力が健全なうちに家族と十分に話し合い、その内容をエンディングノートに記録しておくことが大切です。
- 認知症やその他の疾患などで判断能力が低下した場合の対応
- 「誰に介護してほしいか」「施設入所の是非」といった介護の希望
- 終末期の介護や医療の意向
これらの内容を考慮して記載しておきましょう。特に、不治の病の告知や終末期の延命治療についての意思は、家族との共有が不可欠です。これらをエンディングノートに明記することで、自分の意思を確実に伝え、家族の負担を軽減できます。
5.葬儀・お墓の希望
近年は葬儀や納骨の形態が多様化しています。ごく身近な人達だけでおこなう家族葬や樹木葬、海洋散骨などを選ぶ人も増加しています。自身の葬儀や供養の方法に関して希望があれば、エンディングノートに記載しましょう。
- 信仰する宗教・宗派
- 菩提寺の情報
- 葬儀の形式・規模
- 葬儀に呼ぶ人・呼ばない人
- 遺影に使う写真
- 納骨の方法
- 墓地の情報
また、葬儀の準備で慌ただしいなか、遺影写真を選ぶのは遺族にとって負担になります。あらかじめ本人が気に入った写真を選んでおき、その保管場所をエンディングノートに記しておくと安心です。
6.相続・遺言書について
エンディングノートには法的拘束力がないため、遺産分割の方法を記載しても効力はありません。しかし、遺言書の有無や詳細情報を記録しておくことは非常に重要です。
遺言書を作成している場合は、以下について記載しておきましょう。
- 形式(自筆証書、公正証書、秘密証書のいずれか)
- 保管場所
- 専門家に依頼した場合はその連絡先
これにより、遺族が遺言書を適切に見つけ出し、相続手続きをスムーズに進められます。遺言書がない場合でも、その旨を記載しておくことで、遺族の混乱を防げます。
7.死後のさまざまな手続きについて
人が亡くなったあとは、役所での手続き以外にも、家族が忘れがちなさまざまな契約やサービスの解約・変更が必要です。具体的には以下のようなものがあります。
- クレジットカード
- 携帯電話
- サブスクリプションサービス(動画配信、通販の定期利用など)
- オンラインアカウント
- SNSアカウント
これらを放置すると、料金の引き落としが継続したり、大切なデータが失われたりする可能性があります。特に、仮想通貨などの金融資産は、解約や換金の手続きが複雑で、相続税の対象にもなるため注意が必要です。
エンディングノートには、現在契約中のサービスを全てリストアップし、解約方法やデータのバックアップ方法、換金方法などを詳細に記録しておくことをおすすめします。
8.ペットについて
一人暮らしでペットを飼っている人は、自身が亡くなったあとペットがどうなってしまうのかは、大変気になる問題です。エンディングノートにはペットの引き取り先に加え、性格や好物、病歴、かかりつけの獣医、保険などの情報を記載しておきましょう。これにより、新しい飼い主がペットを適切に世話できるようになります。
9.家族・親族、友人、お世話になった方へのメッセージ
エンディングノートの作成は、普段なかなか伝えられない感謝や想いを残す絶好の機会です。家族や親族はもちろん、友人やお世話になった方々に対しても、心からのメッセージを綴ります。
- 子供や孫に対しては小さかった頃のエピソードを
- 親友には共に過ごした思い出を
- お世話になった上司や同僚には感謝の言葉を
それぞれの関係性に応じた温かいメッセージは、遺された人々にとって大切な思い出となり、心の支えになることでしょう。率直な気持ちを込めて、あなたらしいメッセージを残してください。
10.過去の記録・思い出
市販されているエンディングノートの大半は、自分史の作成に多くのページが割かれています。家族や友人との旅行や、その他の楽しかった思い出やエピソードを中心に当時の気持ちや想いを綴ることで、これまでの人生を振り返り、残りの人生をより充実させられます。
可能であれば、関連する写真を貼付することで、より鮮明に記憶を呼び起こすことができるでしょう。
11.これからの計画・やりたい事
エンディングノートを書く過程でこれまでの人生を振り返ると、まだやり残していることや新たな目標が見えてくるかもしれません。終活は、死後の準備だけでなく、残りの人生をどのように充実させるかを考える機会でもあります。
行きたかった旅行先や長年連絡を取っていない友人との再会など、思い浮かぶ「これからの計画・やりたいこと」をエンディングノートに自由に書き留めてみましょう。
これらの目標を明確にすることで、前向きに人生を歩むためのモチベーションにもなります。あなたの夢や希望を大切に、充実した人生を送るための指針としてエンディングノートを活用してください。
エンディングノートの選び方
市販されているエンディングノートにはさまざまな形式があります。自分が書きたい内容に合わせて、最適なものを選びましょう。
たとえば、写真や手紙などの思い出の品を一緒に保管できるタイプや、デジタル形式で作成できるものもあります。また、自分史の記録に重点を置いたものや、財産や相続に関する情報を詳細に記入できるものなど、目的に応じて選択肢は多岐にわたります。
エンディングノートの書き方に不安を感じる方は、書き方の解説つきのものを選ぶとよいでしょう。初めての方でも、手順に沿って簡単に作成できます。自分に合ったエンディングノートを選ぶことで、残したい想いを的確に伝えられます。大切な人へのメッセージを残すために、じっくりと選んでみてください。
エンディングノートを作成する際の注意点
エンディングノートを買ったものの、いざ書こうとするとなかなか筆が進まないこともあるでしょう。ここでは、エンディングノートを作成する際の注意点として、以下の3点を解説します。
- 書ける項目から書く
- 定期的に見直す
- 保管場所を明確にし、家族と共有する
ひとつずつ見ていきましょう。
書ける項目から書く
エンディングノートには多くの項目があり、全てを一度に埋めるのは大変です。そのため、まずは書きやすい項目から始めましょう。順番にこだわる必要はなく、気軽な気持ちで最初の一歩を踏み出すことが大切です。
まずは「書きたい内容が思い浮かんだら書いてみる」程度の気持ちで始めるのがおすすめです。また、考えが変わったり情報の更新が必要になることもあるため、鉛筆や消せるボールペンを使うとよいでしょう。
定期的に見直す
エンディングノートは一度作成して終わりではありません。時間の経過とともに、記載内容の修正や追加が必要になることがあります。情報が古くなると、いざというときに役立たなくなる可能性があるため、定期的に見直しましょう。
1〜3ヵ月に一度、大まかな内容確認をおこない、明らかに更新が必要な情報をチェックします。さらに、3〜6ヵ月に一度はより詳細な見直しをおすすめします。
保管場所を明確にし、家族と共有する
エンディングノートの作成後は、その保管場所を家族と共有しましょう。せっかくノートを作成しても、自身の死後に誰にも読まれなければ意味がありません。
ただし、重要な金融情報や個人情報が含まれているため、保管場所の選択には注意してください。簡単に見つかる場所は避け、家族だけが知っている安全な場所に保管します。
たとえば、金庫や鍵のかかる引き出し、または家族しか知らない収納スペースなどが適しています。保管場所を決めたら、必ず家族に伝え、緊急時にすぐに取り出せるようにしておきましょう。
エンディングノートに関するよくある質問
ここでは、エンディングノートに関するよくある質問のうち、以下の2点について解説します。
- 何歳から始めるべきか
- どこで買えるのか
ひとつずつ見ていきましょう。
何歳から始めるべき?
エンディングノートを書き始める年齢に決まりはありません。大切なのは自分の人生や家族のことを考え始めたときに着手することです。
- 親の介護を考え始めたとき
- 子育てが一段落したとき
- 定年退職したとき
このように人生の節目でエンディングノートを書き始める方は多いでしょう。ただし、若いうちから書き始めることも決して早すぎることはありません。
むしろ、人生の早い段階から自分の人生設計や家族への想いを整理することで、より充実した人生を送ることにつながる可能性があります。思い立ったときが、エンディングノートを書き始める最適なタイミングだといえます。
どこで買えるの?
書店やインターネットで簡単に購入できます。ただし、無料や低価格で入手できる方法もたくさんあるため、必ずしも高価なものを買う必要はありません。
100円ショップでも購入でき、地域によっては役所で無料配布しているケースもあります。また、Excel形式のテンプレートを無料でダウンロードできるWebサイトや、若い世代向けに開発されたスマートフォンアプリも登場しています。
どの方法を選ぶか迷った場合は、まずは無料や低価格のものから試してみるのがおすすめです。自分に合ったスタイルを見つけてから、必要に応じて市販のものを購入するのもよいでしょう。まずは始めることが大切です。
エンディングノートを作ることから終活を始めてみよう
一般社団法人 終活協議会 / 想いコーポレーショングループでは、資料請求をしてくださった方限定で、エンディングノートを無料でプレゼントしています。このノートは、以下の項目について記載できるようになっています。
- 自分のこと
- パソコン・スマートフォン・日記など
- ホームページ・ブログなど
- 現在の身体について
- 医療について
- 介護について
- ペットについて
- 葬儀について
- お墓について
- 私の家系図
- 生命保険について
- 建物の保険と年金について
- 財産について
- 友達やお世話になった人の連絡先
- 行ったことのある印象深い場所や国
- 日本で行ったところで想い出深い場所
- 楽しかった想い出や挑戦してみたいこと
終活に興味はあるけど一歩を踏み出せない方は、まずは資料請求し、エンディングノートを書いてみることから始めてみるのはいかがでしょうか。
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監修
-
1969年生まれ、大阪出身。
2012年にテレビで放送された特集番組を見て、興味本位で終活をスタート。終活に必要な知識やお役立ち情報を終活専門ブログで発信するが、全国から寄せられる相談の対応に個人での限界を感じ、自分以外にも終活の専門家(終活スペシャリスト)を増やすことを決意。現在は、終活ガイドという資格を通じて、終活スペシャリストを育成すると同時に、終活ガイドの皆さんが活動する基盤づくりを全国展開中。著書に「終活スペシャリストになろう」がある。
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