2023年6月13日

生前整理が大切な理由を業界関係者が紹介。メリット・デメリットや進め方を解説 

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「生前整理」という言葉を耳にしたことがある方は多いと思います。
しかし、具体的に何を指すのか、似たような言葉とどう違うのか、はっきりとわからない方も多いのではないでしょうか。
ご自身の老後やご家族のことを考え始めた今、まずはその基本的な意味から理解することが大切です。
ここでは、生前整理の考え方と、よく混同されがちな「遺品整理」「老前整理」との違いを、誰にでもわかるように丁寧にご説明します。

この記事でわかること

  • 生前整理とは?なぜ必要なの?
  • 生前整理をするメリット
  • 生前整理の進め方4ステップ

目次

生前整理とは?基本的な考え方と目的

生前整理とは?基本的な考え方と目的

生前整理とは、ご自身が元気で判断力もしっかりしているうちに、身の回りの「もの」、預貯金や不動産などの「財産」、そしてパソコンやスマホの中の「情報」を整理しておく活動のことです。
その一番の目的は、万が一のことがあった際に、残されたご家族が遺品整理で困らないように負担を軽くすること。
そして同時に、これからのご自身の人生をより快適で、心豊かに過ごすための準備でもあります。
単なる片付けではなく、未来の家族と自分への思いやりが詰まった活動なのです。

「遺品整理」「老前整理」との明確な違い

生前整理と似た言葉に「遺品整理」と「老前整理」があります。
これらの違いを理解しておきましょう。

  • 遺品整理:故人が亡くなった後に、ご遺族がその遺品を整理することです。
    生前整理との最大の違いは、整理を行う「時期(死後)」と「主体(遺族)」です。
    ご遺族は悲しみの中で、何を残し、何を処分すべきか判断に迷うことが多く、精神的にも肉体的にも大きな負担となります。
  • 老前整理:こちらもご自身が元気なうちに行う点は生前整理と同じです。
    しかし、主な目的が「老後の生活を安全で快適にするため」という点に重きが置かれています。
    一方、生前整理は老後の生活改善に加え、「死後の家族の負担軽減」という目的がより明確に含まれています。

つまり、生前整理は「これからの自分」と「残される家族」の両方を見据えた、より包括的な整理活動と言えるでしょう。

なぜ今、生前整理が必要?注目される5つの理由

「まだ元気だし、自分には早いのでは?」と感じるかもしれません。
しかし、多くの方が生前整理の必要性を感じ、早めに取り組み始めています。
それは、単にものを減らす以上の、深い理由があるからです。
ここでは、なぜ今、生前整理がこれほどまでに注目されているのか、その背景にある5つの重要な理由を解説します。

理由1:残される家族の負担を大幅に減らすため

もしもの時、ご家族は深い悲しみの中で、膨大な量の遺品整理に追われることになります。
どこに何があるのか、どれが大切でどれが不要なのか、判断するのは至難の業です。
遠方に住んでいれば、時間的な制約も大きな壁となります。
ご自身が元気なうちに整理を進めておくことは、ご家族の身体的・精神的、そして時間的な負担を減らす、何よりの思いやりになります。

理由2:相続トラブルを未然に防ぐため

財産の全体像が不明確なままだと、ご家族が相続手続きで大変な苦労をしたり、時には親族間で思わぬトラブルに発展したりするケースも少なくありません。
生前整理で財産目録を作成し、資産の状況を明確にしておけば、相続手続きがスムーズに進みます。
誰に何を遺したいかというご自身の意思を明確に伝えることで、無用な争いを防ぐことができます。

理由3:安全で快適なセカンドライフを送るため

生前整理は、ご自身のこれからの生活をより良くするためでもあります。
ものが溢れた部屋は、転倒などの思わぬ事故の原因にもなりかねません。
不要なものを手放し、スッキリと片付いた空間で暮らすことは、安全性の向上はもちろん、心にもゆとりをもたらします。
探し物にかける時間もなくなり、日々の生活の質(QOL)が格段に向上するでしょう。

理由4:自分の人生を見つめ直し、心を整理するため

長年かけて集めてきたもの一つひとつと向き合う作業は、ご自身の人生の歩みを振り返る貴重な機会となります。
楽しかった思い出、頑張ってきた証、様々な記憶が蘇るでしょう。
その過程で、これからの人生で本当に大切にしたいものは何かが見えてきます
過去を整理し、未来に向けて心を整える、非常に有意義な時間となるはずです。

理由5:万が一の事態(入院・介護)に備えるため

人生には何が起こるかわかりません。
急な病気での入院や、介護施設への入所といった事態も考えられます。
そんな時、身の回りが整理されていれば、必要な書類がすぐに見つかり、手続きもスムーズに進みます。
ご家族や周りの方々にかける迷惑を最小限に抑えることができます。
生前整理は、ご自身の「もしも」に備える、賢明なリスク管理でもあるのです。

生前整理のメリット【家族と自分のために】

生前整理を始めることは、残されるご家族への深い配慮であると同時に、ご自身のこれからの人生を豊かにするための素晴らしい投資でもあります。
具体的にどのような良いことがあるのでしょうか。

ここでは、生前整理がもたらす5つの大きなメリットを、「家族のため」と「自分のため」という両方の視点から詳しくご紹介します。
これらのメリットを知ることで、生前整理への一歩を踏み出すモチベーションがきっと高まるはずです。

メリット1:遺品整理における家族の身体的・精神的負担が軽くなる

最大のメリットは、やはりご家族の負担軽減です。

遺品整理は、ただ物を片付けるだけではありません。
大量の荷物の仕分けや搬出は体力を消耗し、思い出の品を前にして処分を判断するのは精神的にも辛い作業です。
さらに、業者に依頼すれば費用もかかります。
生前整理によって物の総量が減り、大切なものが明確になっていれば、ご家族が直面するこれらの負担を劇的に軽くすることができます。
これは、言葉で伝える以上の、深い愛情表現と言えるでしょう。

メリット2:財産状況が明確になり、相続がスムーズに進む

預貯金、保険、不動産、有価証券、そしてローンなどの負債まで、ご自身の財産をすべてリストアップすることで、相続の全体像がクリアになります。
これにより、ご家族は相続手続きをどこから手をつければ良いか迷うことがなくなり、手続き漏れや遅延を防げます。
遺産分割協議も円滑に進み、親族間の無用な争いを避けることにも繋がります。
ご自身の意思をエンディングノートや遺言書で示しておけば、さらに安心です。

メリット3:探し物が減り、スッキリした空間で生活の質(QOL)が向上する

これはご自身がすぐに実感できるメリットです。
「あれはどこに置いたかな?」と探し物をする時間は意外とストレスになるものです。
生前整理で物の定位置が決まると、探し物がなくなり、時間にゆとりが生まれます。
また、物が少なく風通しの良い空間は、掃除がしやすく衛生的であるだけでなく、心も穏やかにしてくれます。
すっきりした家で過ごす毎日は、セカンドライフの質を確実に高めてくれるでしょう。

メリット4:大切なものを自分の意思で譲り渡せる

ご自身が大切にしてきたコレクションや愛用品、アクセサリーなどを、誰に受け継いでほしいですか?
遺品整理では、その価値がわからないご家族によって、誤って処分されてしまう可能性があります。
生前整理なら、ご自身の意思で「これは長男に」「この着物は孫娘に」と、直接譲り渡すことができます。
思い出と共に大切な品物を託すことで、物も心も、次の世代へと繋がっていくのです。

メリット5:不用品を売却して現金化できる

整理の過程で出てきたまだ使えるけれど自分は使わない品々は、リサイクルショップやフリマアプリなどで売却することができます。
思わぬ臨時収入になれば、旅行や趣味など、これからの人生を楽しむための資金に充てることも可能です。
ただ捨てるのではなく、必要としている誰かに使ってもらうことで、罪悪感なく手放せるという精神的なメリットもあります。

知っておくべき生前整理のデメリットと注意点

多くのメリットがある生前整理ですが、始める前に知っておくべき側面もあります。
良い点ばかりに目を向けていると、途中で思わぬ壁にぶつかり、挫折してしまうかもしれません。
ここでは、生前整理に伴う可能性のある4つのデメリットと注意点を正直にお伝えします。

デメリット1:時間と労力、体力が必要になる

長年の暮らしで溜まったものを整理するのは、決して一日や二日で終わる作業ではありません。
一つひとつの物と向き合い、「必要か、不要か」を判断し、仕分け、梱包、搬出する…という一連の作業には、想像以上の時間と労力がかかります。
特に、大きな家具や大量の書籍などは、体力的な負担も大きくなります。
日常生活を送りながら進めるため、数ヶ月、場合によっては年単位の計画が必要になることも覚悟しておきましょう。

デメリット2:不用品の処分や業者依頼に費用がかかる

不用品を処分する際には、費用が発生することがあります。
粗大ゴミの処分には手数料がかかりますし、リサイクル法対象の家電(テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機)は専門の処分費用が必要です。
また、自分たちの手には負えない量の整理や、重いものの搬出を専門業者に依頼する場合は、その作業費用もかかります。
予算を全く考えずに進めると、後で金銭的な負担に驚くことになりかねません。

デメリット3:思い出の品と向き合う精神的な負担がある

生前整理は、単なる物理的な片付けではありません。
写真や手紙、子供が使っていたものなど、思い出が詰まった品々を前にすると、手が止まってしまうことがあります。
過去を振り返ることで感傷的になったり、何かを捨てることに罪悪感を覚えたりと、精神的なエネルギーを消耗する場面も少なくありません。
心の準備をせずに始めると、精神的に疲弊してしまう可能性があることを理解しておくことが大切です。

デメリット4:必要なものまで誤って処分してしまうリスク

「断捨離」に意気込むあまり、勢いで大切な書類や、後で必要になるものを誤って捨ててしまうリスクがあります。
特に、契約書や保証書、年金手帳といった重要書類は、一度捨ててしまうと再発行に手間がかかるものも多いです。
また、当時は不要だと思っても、後になって「あれがないと困る」という事態も考えられます。
判断に迷うものは一旦「保留」にするなど、慎重に進める必要があります。

生前整理はいつから始めるべき?最適なタイミングとは

「生前整理の重要性はわかったけれど、一体いつから手をつければいいの?」

これは多くの方が抱く疑問です。早すぎても実感が湧かないかもしれませんし、遅すぎると体力や判断力が心配になります。
実は、生前整理を始めるのに「決まった年齢」はありません。
しかし、よりスムーズに、そして後悔なく進めるための「考え方」や「きっかけ」となるタイミングは存在します。
ここでは、生前整理を始めるのに最適な時期について、3つの視点から解説します。

基本は「思い立ったが吉日」体力・判断力があるうちに

結論から言えば、生前整理を始めるのに最適なタイミングは「やろう」と思い立ったその時です。
明日、来年、と思っているうちに、病気や怪我で体が思うように動かなくなる可能性は誰にでもあります。
物の要・不要を判断し、膨大な量を整理する作業には、気力、体力、そして何より正常な判断力が不可欠です。
心身ともに元気なうちであれば、自分のペースで楽しみながら進めることができます。
少しでも気になった今こそが、最高のスタート地点なのです。

検討したいライフイベントの節目(定年退職、子の独立など)

具体的なきっかけが欲しい場合は、人生の節目となるライフイベントをタイミングにするのがおすすめです。
例えば、定年退職後は、仕事に費やしていた時間を整理に充てることができます。
子供の独立や結婚は、使われなくなった子供部屋を片付ける絶好の機会です。
また、家の建て替えやリフォーム、還暦や古希といった節目の誕生日なども、これからの人生を見つめ直し、身の回りを整理する良いきっかけとなるでしょう。

【状況別】一人暮らし・子供がいない場合の考え方

一人暮らしの方や、お子さんがいらっしゃらないご夫婦の場合、生前整理の重要性はさらに高まります。
万が一のことがあった際、遺品整理を頼れるのは遠縁の親戚や友人、あるいは行政の担当者になるかもしれません。
相手への負担は計り知れず、ご自身の意図しない形で大切なものが処分されてしまう可能性もあります。
頼れる身内が近くにいないからこそ、元気なうちに自らの手で整理を進め、重要書類の場所や希望を明確にしておくことが、周りへの最大の配慮となるのです。

後悔しない生前整理の進め方|4つのステップで解説

後悔しない生前整理の進め方|4つのステップで解説

生前整理の必要性を感じても、「何から手をつければいいのか、途方に暮れてしまう」という方は少なくありません。
しかし、やみくもに始めるのではなく、しっかりとした手順を踏めば、誰でも着実に進めることができます。
ここでは、後悔しないための生前整理の具体的な進め方を、大きく4つのステップに分けて詳しく解説します。

ステップ1:計画を立て、家族と情報を共有する

まずは、いきなり片付け始めるのではなく、計画を立てることからスタートします。
「いつまでに」「どこを」「どのように」整理するのか、大まかなスケジュールを立てましょう。
そして何より大切なのが、ご家族と「生前整理を始めようと思う」という意思を共有することです。
勝手に進めると、家族にとっては大切なものを捨てられたと誤解され、トラブルの原因になりかねません。
目的を伝え、協力を得ることで、スムーズに進めることができます。

ステップ2:「もの」の整理|仕分けと処分のコツ

計画が立ったら、いよいよ具体的な「もの」の整理に入ります。
家の中にある衣類、食器、書籍、家具、家電など、目に見えるものすべてが対象です。
ここでのポイントは、一度にすべてをやろうとしないこと。「今日はクローゼットだけ」「今週末は本棚を」というように、小さな範囲から少しずつ進めるのが挫折しないコツです。

「必要」「不要」「保留」の3つに分類する

ものを仕分ける際の基本ルールは、まず「必要」「不要」「保留」の3つの箱を用意することです。
1年以上使っていないものは「不要」の候補と考えるなど、自分なりの基準を設けると判断しやすくなります。
迷ったものは無理に捨てず、一旦「保留」箱へ。
数ヶ月後に見返すと、冷静に判断できることが多いです。
このシンプルな分類法で、効率的に作業を進めましょう。

思い出の品と向き合う心の準備とコツ

写真や手紙、子供の作品など、思い出の品は最も判断が難しいものです。
無理に捨てる必要はありませんが、すべてを残すのも現実的ではありません。
コツは、データ化して残すこと
写真はスキャンしたり、スマホで撮影したりすれば、場所を取らずに保管できます。
また、「思い出ボックス」を一つ作り、そこに入る分だけを残すと決めるのも良い方法です。
一つひとつに「ありがとう」と感謝して手放すことで、心の整理にも繋がります。

不用品の処分方法(買取、譲渡、廃棄)

「不要」と判断したものは、適切に処分します。
まだ使えるものは、リサイクルショップやフリマアプリでの「買取」、友人や知人への「譲渡」を検討しましょう。
誰かに使ってもらえると、捨てる罪悪感が和らぎます。
価値がつかないものや壊れているものは、自治体のルールに従って「廃棄」します。
処分方法を先に調べておくと、作業がスムーズに進みます。

ステップ3:「財産」の整理|資産と負債をリストアップ

「もの」の整理と並行して、「財産」の整理も進めましょう。
これは相続トラブルを防ぐために非常に重要です。
ご自身がどれだけの財産を持っているのか、その全体像を正確に把握し、一覧表(財産目録)にまとめる作業です。
通帳や印鑑、権利書などの保管場所も、この機会に一箇所にまとめておくと、ご家族が困りません。

預貯金、不動産、有価証券などのプラスの財産

まずはプラスの財産をリストアップします。
銀行の預貯金(銀行名、支店名、口座番号)、生命保険や火災保険(保険会社、証券番号)、土地や建物などの不動産(所在地、名義)、株式や投資信託などの有価証券(証券会社名)などを、漏れなく書き出しましょう。
どこに何があるかを明確にすることが目的です。

ローンや借入金などのマイナスの財産

忘れてはならないのが、住宅ローンや自動車ローン、カードローンなどのマイナスの財産(負債)です。
これらも相続の対象となるため、正確に記載しておく必要があります。
借入先、現在の残高などを明確にしておきましょう。
プラスの財産と合わせて記載することで、財産の全体像が初めて明らかになります。

ステップ4:「情報」の整理|デジタル遺品と重要書類

現代の生前整理では、「もの」や「財産」だけでなく、パソコンやスマートフォンの中にある「情報」の整理も欠かせません。
これらは「デジタル遺品」と呼ばれ、放置するとご家族がアクセスできず困ったり、個人情報流出のリスクになったりします。
また、エンディングノートなどを活用して、ご自身の意思や重要な情報を記録として残すことも、最後の仕上げとして大切です。

エンディングノートや遺言書の作成

整理した財産の情報や、ご自身の希望(葬儀やお墓についてなど)、家族へのメッセージなどを「エンディングノート」にまとめておきましょう。
これはご家族への引継ぎ書となり、大きな助けになります。
ただし、エンディングノートに法的な効力はありません。
財産の分け方について法的な拘束力を持たせたい場合は、別途「遺言書」を作成する必要があります。
目的に応じて使い分けましょう。

PC・スマホのデータやSNSアカウントのパスワード管理

パソコンやスマホのロック解除パスワード、各種ウェブサイトやSNS(Facebook、Xなど)のIDとパスワードを一覧にして、信頼できるご家族にだけわかるように保管しておきましょう。
見られたくないデータは事前に削除し、ネット銀行やサブスクリプションサービスなど、金銭が関わるものは解約方法も記しておくと親切です。
これが現代における重要な終活の一つです。

自分だけでは難しい…生前整理を業者に依頼する選択肢

生前整理の進め方を理解しても、「自分一人で、あるいは家族だけでやり遂げるのは難しいかもしれない」と感じる方もいらっしゃるでしょう。
物が多すぎる、体力に自信がない、どこから手をつけていいか分からない、といった状況は決して珍しくありません。
そんな時、無理せず専門の業者に依頼するというのも賢明な選択肢の一つです。
ここでは、プロの手を借りる場合のメリット・デメリット、そして後悔しないための業者の選び方について解説します。

専門業者に依頼するメリット・デメリット

業者に依頼するかどうかは、メリットとデメリットを比較して慎重に判断しましょう。

【メリット】

  • 時間と労力の大幅な削減:プロが効率的に作業を進めるため、短時間で整理が終わります。重い家具の移動や不用品の搬出も任せられるため、身体的な負担がありません。
  • 専門的な知識と経験:不用品の買取や適切な処分方法、貴重品の捜索など、専門的な知識で対応してくれます。仕分けの的確なアドバイスももらえます。
  • 精神的な負担の軽減:第三者が客観的な視点で作業を進めてくれるため、思い出の品を前にして手が止まってしまうといった精神的な負担が和らぎます。

【デメリット】

  • 費用がかかる:当然ながら、専門家に依頼するための費用が発生します。部屋の広さや物の量によって金額は変動するため、まとまった出費が必要になります。
  • 業者選びが難しい:残念ながら、中には高額な追加料金を請求したり、作業が雑だったりする悪質な業者も存在します。信頼できる業者を見極める必要があります。

信頼できる業者の選び方と費用相場

安心して任せられる業者を選ぶためには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。
まず、必ず複数の業者から相見積もりを取りましょう。
料金体系が明確で、作業内容や追加料金の有無について丁寧に説明してくれる業者を選びます。
「遺品整理士」などの専門資格を持つスタッフが在籍しているか、万が一の事故に備えて損害賠償保険に加入しているかも確認しましょう。
また、一般廃棄物収集運搬業の許可や、古物商の許可を得ているかも信頼性の指標になります。

費用相場は、部屋の間取りや物の量、作業員の人数によって大きく異なりますが、目安としてはワンルームで3万円~8万円、2LDKで12万円~30万円程度です。
ただし、これはあくまで一般的な目安であり、買取品の有無などでも変動するため、必ず現地での訪問見積もりを依頼し、書面で見積書をもらうようにしてください。

まとめ:生前整理は、未来の家族と自分への最高の贈り物

ここまで、生前整理の理由からメリット・デメリット、そして具体的な進め方までを詳しく解説してきました。
生前整理は、単なる「終活」や「片付け」という言葉だけでは収まらない、奥深い活動です。
それは、ご自身がこれまで歩んできた人生を慈しみ、未来をより良く生きるための準備であり、何よりも残される大切なご家族への深い愛情と感謝を形にする行為です。

確かに、時間も労力もかかり、時には精神的な負担を感じることもあるかもしれません。
しかし、その先には、スッキリとした快適な空間と、心の平穏が待っています。
そして、ご家族は「私たちのために、ここまで準備してくれていたんだ」と、あなたの深い思いやりを受け取ることでしょう。

終活協議会では、生前整理についてお悩み事やご不明な点のご相談を承っております
専門知識の豊富な当社スタッフが生前整理について、迅速かつ誠心誠意ご相談にお答えいたします。
ぜひお気軽にご相談ください。

監修

竹内義彦
竹内義彦一般社団法人 終活協議会 理事
1969年生まれ、大阪出身。
2012年にテレビで放送された特集番組を見て、興味本位で終活をスタート。終活に必要な知識やお役立ち情報を終活専門ブログで発信するが、全国から寄せられる相談の対応に個人での限界を感じ、自分以外にも終活の専門家(終活スペシャリスト)を増やすことを決意。現在は、終活ガイドという資格を通じて、終活スペシャリストを育成すると同時に、終活ガイドの皆さんが活動する基盤づくりを全国展開中。著書に「終活スペシャリストになろう」がある。

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