いよいよ幕を開けた2025年。まったりとお休みを堪能された方もいれば、おせちやおもちなどの食べ過ぎで後悔されている方、新年の抱負を胸にワクワクされている方など、人それぞれに思い思いのお正月を過ごされたことでしょう。
ここで皆さんに質問です。年末の大掃除の際、断捨離はされましたか?「大掃除」=「断捨離」と考えている方もいるかもしれませんが、両者は似て非なるもの。言葉の通りお部屋を綺麗にする掃除の意味合いとは異なり、不要な物が入ってくる道筋を「断」ち、不要な物を「捨」て、物に対する執着から「離」れる。つまりは、不要な物が手元に入ってくるルートを把握し、今手元にある物が本当に必要な物であるかどうかを見極め、本当に大切な物だけが手元に残るよう心がける。それが断捨離です。近年では「ミニマリスト」という言葉が広く認知され、物を持ち過ぎないことに価値を見出す方も増えているほか、終活の一環として、生前(身辺)整理も兼ねた断捨離に行き着く方も多いです。新年の始まりをより気持ちの良いものにするためにも、この機会に断捨離を検討してみるのは如何でしょう。本コラムでは、断捨離を始める上でのお役立ち情報をご紹介させていただきます。
断捨離を進めるコツ
大量の衣服、CDやレコード、小説や漫画、貴金属やブランド品、推しのグッズなど、人それぞれに趣味やコレクション、気が付いたら大量に購入してしまっているものなどあると思います。ですが、着ない服、聴かない曲、読まない本、身に付けないアクセサリー、未開封のまま放置のグッズなど、意外と使っていないものがあったりしませんか。それをそのまま所持し続けるのもひとつの楽しみですが、思い切って処分することで、部屋のスペースが増えたり、売ることでお金になったり、より有効活用してくれる方の手へ渡ることで喜んでもらえたりと、断捨離をすることで生まれるメリットはさまざまあります。とは言え、どこから手を付けたら良いか分からないという方も多いと思いますので、断捨離を進めるためのコツをご紹介させていただきます。
・ときめくか、ときめかないか
“こんまり”こと片づけ専門家の近藤麻理恵さんが掲げる片付けの術「こんまりメソッド」をご存知でしょうか。「いつか使うことがあるかもしれない」「時間ができたら読み返すかもしれない」など、確証のない可能性を前に手離すか否かを悩まれる方が多いと思いますが、「こんまりメソッド」で重視するのは、対象を前にした際に心が“ときめく”か“ときめかない”か。一目で心がときめくのであれば、それは自分にとって大切なものである証拠。心がときめかず、先述したような迷いが生じるのであれば、それは大切なものではない証拠。いつか使うかもしれないなどの「もしも」を考えることをやめ、「ときめき」の有無に重きを置く。それが選別作業の際の大切な心得になるでしょう。
参考URL:https://konmari.jp/method/
断捨離する物を決めたら……
選別作業が完了したら、それをどのように処分するか考えていきましょう。ゴミとして出すことができれば問題ありませんが、物によってはお金になったり、逆に処分するのにお金がかかったりと、処分の仕方もさまざまあります。どのような処分の仕方やサービスがあるのかを見て、自分にあった処分方法を見つけていきましょう。
◆フリマサービスで売る
メルカリ、Yahoo!フリマ、楽天ラクマなど、個人間で商品と代金を取引するフリマサービスが多数展開されており、利用された経験がある方も多いのではないでしょうか。では、フリマサービスにはどのようなメリットとデメリットがあるのかを見ていきましょう。
【メリット】
- 自分で価格を決められるため、高値で売れる可能性がある
- スマートフォン一つで簡単に出品ができる
- 匿名性が高く、個人情報を開示しなくて済む
- 買取店などでは売れない物も売れる可能性がある
【デメリット】
- 本当は価値あるものを安く売ってしまう可能性がある
- 販売手数料がかかる
- 買い手が現れず売れ残り続ける可能性がある
- 買い手との間でトラブルが発生する可能性がある
買取店などでは買取価格が設定されており、安値でしか売れない品物であっても、フリマサービスでは任意の価格設定ができるため、思わぬ品物が高値で売れることがあります。思い入れのある品であればこそ、自分の納得のいく価格で販売したいという方にオススメですし、極端な例ではありますが、ゴミ同然のものが誰かにとっては宝物になり得る可能性を秘めているのがフリマサービスの魅力です。また、スマホ一つで写真撮影・文章作成・販売まで済ませられ、初心者でも簡単に始められる点も魅力の一つです。しかし、デメリットに挙げた要素も隣り合わせであるため、サービスの利用には注意が必要です。市場価格を把握せず安い価格で販売してしまうこと、いつまで経っても売れ残り続ける可能性、買い手とのトラブルや詐欺被害に遭う可能性など、使い方次第ではマイナス面が付きまとうことも認識しておきましょう。
参考URL
メルカリ:https://jp.mercari.com/
Yahoo!フリマ:https://paypayfleamarket.yahoo.co.jp/
楽天ラクマ:https://fril.jp/
◆買取サービスを利用する
フリマサービスの利用が自分に合わないと思う方は、バイセル、セカンドストリート、ブックオフなどの大手買取サービスを利用してみるのは如何でしょう。希望通りの価格で買い取りはされずとも、専門知識を持った査定員による適正価格で買取してもらえるほか、最近では買取店のスタッフが自宅まで来てくれる出張買取サービスや、箱に詰めて送るだけの郵送買取サービスを展開している企業が増えています。では、買取サービスにはどのようなメリットとデメリットがあるのか見ていきましょう。
【メリット】
- 時間と手間の節約
- すぐに現金化できる
- お店に持ち込むor家に来てもらうor箱に詰めて送るだけで完了
- トラブルや詐欺被害を回避できる
【デメリット】
- 買取価格(査定額)に納得できない可能性がある
- 買取価格を他社サービスと比較・検討したい場合、複数のサービスを利用する必要がある
- 品物の状態次第では買取してもらえない可能性がある
フリマサービスとは異なり、「お店に持っていく」「家に来てもらう」「箱に詰めて送るだけ」のいずれかで完結する手軽さが買取サービスの魅力です。フリマサービスのように、自分で撮影・文章作成・価格設定・購入者とのやり取りをする必要もなく、複数の品物を一度に査定してもらうことが可能です。また、お店に持ち込む場合であれば即日現金化も可能です。しかし、買取価格(査定額)に納得できない可能性があることも忘れてはいけません。査定額に納得がいかなければ、他社サービスの査定額を知りたくもなるでしょう。ですが、そのために割く時間と労力はなかなかのものであり、結果として断捨離を妨げる要因にも繋がります。特に思い入れのある品物はフリマサービス、どんな査定額であっても問題ないものは買取サービスを利用するなど、人によっては上手く使い分ける必要があるかもしれません。
参考URL
バイセル:https://campaigns.speed-kaitori.jp/ad/af/a8/ag/log-5/bst-brandwear
セカンドストリート:https://www.2ndstreet.jp/
ブックオフ:https://www.bookoff.co.jp/
◆不用品回収業者を利用する
フリマサービスを利用しても売れ残ってしまったり、買取サービスでは売ることができなかった品物など、どうしてもお金に変えることができない品物が出てくる場合もあり得ます。ゴミとして出すことができれば手っ取り早いですが、家具や家電など、物によっては処分するのに費用がかかることも……。「何でも買い取ります(引き取ります)」というキャッチコピーを掲げるサービスも多数見かけますが、細かなルールやイレギュラーも付き物で、結局費用が発生したというのもよく聞く話。ネット検索するだけではその真偽を確かめるのも難しく、一つひとつ問い合わせて見積もりを出してもらうのも一苦労。その手間と労力を考えれば、有料の不用品回収業者に依頼するのも一つの手。不用品回収業者もまたピンキリのため、まずは自治体の粗大ごみ回収などを利用するのが最も安全且つ確実でしょう。フリマサービスや買取サービスを併用することで、その売上を費用に充てれば、実質0円という考え方もできるのではないでしょうか。
迷ったら期間を設けるのも一つの手
たとえ自分の心がときめかない物であったとしても、さまざまな事情から手離すかどうかを悩んでしまうことがあると思います。そんな時は答えを急がず一旦保留とし、1ヶ月・3ヶ月・半年・1年などの期間を定め、その間に実際に使用することがあるか否かで判断するのも良いでしょう。また、終活の一環としての断捨離に取り組まれる方であれば、「エンディングノート」を活用するのも良いでしょう。エンディングノートとは、家族が困らないよう、個人情報や病歴、医療・介護・葬儀・保険・財産などの情報や希望を記しておくノートのことです。どうしても手離せなかった物の処理方法(ゴミに出す・人に譲る・売るなど)を記載しておくことで、遺された家族が遺品整理の際に困らずに済むでしょう。
物の断捨離だけではなく、デジタルの断捨離も必要な時代
TV・ネット・SNSなどで、「デジタル終活」という言葉を目にしたことはないでしょうか。ネット主流の世の中となり、電子マネーやネット銀行をはじめ、SNSやサブスクリプションサービスなど、誰もがあらゆるデジタルサービスを利用しています。ここで考えてみていただきたいのですが、もし仮にあなたが今急死したと仮定して、あなたのスマートフォンのロックを解除できる人が身近に1人でもいるでしょうか。対策を講じている人でない限り、答えは「NO」だと思います。スマートフォンのロックはまだ序の口で、先述したあらゆるデジタルサービスにはログインIDとPWが必要です。それらを身近な人に共有できる対策を講じておかないと、財産の把握もできず、あらゆるサービスの解約もできず、遺された家族が困ってしまうことになります。そのためにもエンディングノートやそれに代わるものが必要になってきますし、断捨離的視点で考えれば、今現在利用しているサービスや銀行などを見直し、不要なものは解約しておく必要があるでしょう。「終活」と聞くと高齢者のためのものと感じてしまう方が多いかもしれませんが、交通事故や病気など、誰もが等しく死のリスクを抱えており、いざという時のための対策に取り組むのに年齢は関係ありません。終活は誰であってもいくつからでも始められます。
最後に……
新しく何かを購入する際、それが本当に必要かどうかをジャッジする目が鋭くなり、不必要な買い物を避けられるだけではなく、必要最低限の物だけで生活する習慣や、物に縛られることのないマインドが形成される。それこそが、断捨離に取り組むことで得られる最大のメリットであると思います。また、物が少なくなれば、日頃の掃除がスムーズに行えるようになるだけではなく、災害時に部屋が物で溢れていることで生じる怪我のリスクも回避することができます。終活の観点から見ても、予め断捨離をしておくことで、遺された家族の負担を大きく軽減できるなど、やっておいて損はないと思います。生活スタイルも考え方も人それぞれのため、断捨離に取り組むか否かはあなた次第ですが、本コラムが何かのキッカケに繋がれば幸いです。
皆さまがより良き終活の時間を送れるよう、一般社団法人 終活協議会 / 想いコーポレーショングループは誠実にサポートさせていただきます。
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