
「ペットは家族」という考えが一般的になった今、飼い主にもしものことがあったとき、ペットの行く末をどう守るかという課題が注目されています。
そこで出てきたのが 「ペットの終活」 という考え方です。
ペットの終活を行うことで、ペットに安心できる暮らしを残し、飼い主自身も心の負担を軽くすることができます。
本記事では、
- ペットの終活とは何か
- エンディングノートの書き方
- ペットの葬儀・供養の選択肢
- 信託・遺言・保険といった法的・経済的な備え
- 実践のためのチェックリスト
までを徹底的に解説します。
「まだ早い」と思う方もいるかもしれませんが、終活は元気なうちではないと始めることができません。一緒に学んでいきましょう。
終活協議会では、ペットの終活をわかりやすく解説した「ペットの終活ガイドブック」を無料で配布しております。是非ご活用ください。

目次
第1章 ペットの終活とは?必要性と背景
「終活」という言葉は、人間の人生の終わりを見据えて使われることが多いですが、近年では「ペットのための終活」という考え方も広まりつつあります。
一見すると「ペットに終活なんて必要なの?」と思われる方もいるかもしれません。ですが、実際には飼い主が元気なうちに準備しておくことで、ペットも周囲の人も安心できる大切な取り組みなのです。
ペットの終活の意味
ペットの終活とは、飼い主にもしものことがあったときに備えて、ペットが安心して暮らし続けられるように準備すること。
例えば、急に入院してしまったときに誰がごはんをあげるのか、散歩はどうするのか。あるいは飼い主が亡くなったときに、ペットを誰に託すのか。これらを「まだ元気だから大丈夫」と後回しにしてしまうと、いざという時に困るのはペット自身です。
「自分がいなくても、この子は大丈夫」
そう思えるだけで、飼い主の心もずっと軽くなります。
ペットの終活が必要とされる理由
では、なぜ今ペットの終活が必要とされているのでしょうか。その背景にはいくつかの社会的な変化があります。
- ペットの寿命が延びている
医療やフードの発達によって犬や猫の平均寿命は確実に伸びています。長生きできるのは喜ばしいことですが、その分「高齢期のケア」や「飼い主のライフステージの変化」とのギャップが生じやすくなりました。 - 飼い主の高齢化や単身世帯の増加
高齢者の一人暮らし、あるいは結婚しないライフスタイルの人がペットを飼うことが増えています。幸せな毎日を共にできる一方で、「この子の未来を託せる人がいない」という不安もつきまといます。 - 急な入院や死亡のリスク
不慮の事故や病気で、突然ペットの世話ができなくなることもあります。飼い主にとっては「予想外」でも、ペットにとっては生活のすべてが失われる深刻な事態です。
ペットの終活をすることで得られる安心
では、実際にペットの終活を始めるとどんな安心が得られるのでしょうか。
- ペットが寂しい思いをしない
新しい飼い主や世話をしてくれる人がすぐに分かれば、生活の継続性が保たれます。 - 飼い主自身が安心できる
「この子の将来は任せられる」と思えるだけで、毎日の関わり方も穏やかになります。 - 家族や友人への負担が減る
いきなり「お願い」と託されるのではなく、事前に準備や意思表示があることで、引き継ぐ人も迷わず対応できます。
「終活」と聞くと重たく感じるかもしれませんが、ペットの終活は「愛情の延長線上」にあるものだと私は思います。
「この子に何を残してあげられるか?」
「どうすれば不安なく暮らしていけるか?」
考えてみると、それは人間の家族に思いやりを向けるのとまったく同じ。だからこそ、飼い主が元気なうちに一歩を踏み出すことが、ペットへの最大のプレゼントになるのです。
第2章 ペットエンディングノートの書き方と活用法
ペットの終活を具体的に形にする第一歩が「ペットのエンディングノート」です。
人間のエンディングノートと同じように、ペットの情報や世話の仕方を書き残しておくことで、もしもの時に引き継ぐ人が困らず対応できます。
書くべき基本項目
- ペットの基本情報
名前、年齢、性別、性格、かかりつけ病院、ワクチン接種状況など。 - 食事・薬・日課
フードの種類、与える時間、薬の投与方法、散歩や遊びの習慣。 - 好き嫌い
お気に入りのおもちゃ、好きな散歩コース、苦手な音や食べ物。 - 緊急連絡先
信頼できる家族・友人、動物病院、預け先候補など。
「誰が読んでも同じように世話できる」くらい具体的に書いておくのがコツです。
ノートの形式と選び方
- 市販のペット専用エンディングノート
フォーマットが整っており、記入するだけで完成。 - 自作ノート
手帳やノートを使って自由にまとめる方法。愛着がわきやすい。 - デジタル版
アプリやクラウドを活用して保存。離れた家族とも共有可能。こちらから無料でDLが可能です。
書き方のコツ
- 具体的に記載する(例:「ドライフード○○を一日2回、朝7時と夜19時に与える」)
- 最新の情報に更新する(引っ越し、病院変更、体調変化など)
- 万が一のとき、すぐ取り出せる場所に保管する
「そんなに細かく書く必要ある?」と思うかもしれません。
でも、ペットは「おやつの種類」や「散歩ルート」が変わるだけで大きなストレスを感じる生き物です。ほんの少しの工夫が、大切な日常を守るカギになるのです。

第3章 ペットの葬儀と供養の選択肢
ペットの終活で見落とされがちなのが「葬儀・供養」の準備です。
「亡くなったらどうしよう…」と考えるのは辛いですが、事前に選択肢を知っておくことで、いざという時に落ち着いて対応できます。
主な葬儀方法
- 自治体対応
自治体によってはペットの火葬を行っていますが、合同火葬が多く、個別供養はできないケースがほとんど。費用は安いが選択肢は限られる。 - 合同火葬
他のペットと一緒に火葬する方法。費用は比較的安いが、遺骨を個別に返してもらえない。 - 個別火葬
1匹ずつ火葬するため、遺骨を返してもらえる。立ち会い可能な葬儀社もある。
ペット霊園や葬儀社の選び方
- 口コミや実績を確認する
- 遺骨返却の有無や供養プランを比較する
- 交通アクセスや立地も重要
費用の目安
- 小型犬・猫:約1~3万円
- 中型犬:約3~5万円
- 大型犬:約5~10万円
※地域や葬儀社によって幅があるため、複数比較が安心です。
供養の方法
- 納骨堂に安置する
- 手元供養(骨壷やペンダントに分骨)
- 樹木葬や海洋散骨
「供養の仕方に正解はない」と私は思います。大切なのは「飼い主とペットらしい送り方」を選ぶこと。家族で一緒に話し合って決めるのも、終活の大事な時間です。
こちらのガイドブックでは、葬儀や供養について詳しく解説しております。是非ご活用ください。

第4章 ペット信託・遺言・保険による法的・経済的備え
ペットを守るためには「気持ち」だけでなく「制度」も活用することが重要です。
ペット信託とは?
- 飼い主が信頼できる第三者に資金と共にペットの世話を託す仕組み
- 飼い主に万一があっても、ペットの生活費や医療費が確保される
- 契約は専門家(弁護士・司法書士)を通じて行うのが一般的
遺言でペットを守る
- 「誰に世話を託すか」を明記しておく
- 財産の一部をペットの生活費として指定できる
- 公正証書遺言なら法的効力が強い
ペット保険・貯蓄
- 医療費の備えとしてペット保険を検討
- 老犬・老猫になると治療費がかさむので、積立貯蓄も有効
身元保証サービスとの連携
- 飼い主が入院した際にペットを預かってくれるサービスも登場
- 保険や信託と組み合わせれば、より安心な備えに
「信託や遺言なんて大げさでは?」と思うかもしれません。
けれども、ペットには「自分で未来を選ぶ力」がありません。だからこそ、飼い主が制度を上手に使って「安心」を形にしてあげる必要があるのです。
終活協議会では、飼い主様が入院した際のペットのお困りごと、飼い主様自身のお困り事を解決して参りました。
ご相談は無料です。少しでもご不安に思うことがございましたら、お気軽にご連絡ください。

第5章 ペットの終活の始め方チェックリスト
最後に「何から始めればいいの?」という方のためにチェックリストを用意しました。
✅ 飼い主がいなくなった時の預け先を決めたか
✅ ペットエンディングノートを用意したか
✅ 信託・遺言・保険を検討したか
✅ 葬儀・供養の希望を書き残したか
✅ 家族・友人に伝えてあるか
これをひとつずつクリアしていくだけで、ペットの終活は確実に前に進みます。
第6章 まとめ|ペットの終活で大切な家族を守る
ペットの終活は、ペットの幸せを守るだけでなく、飼い主自身の安心にもつながります。
- エンディングノートで日常を残す
- 葬儀・供養の準備で心を整える
- 信託や遺言で法的に未来を守る
この3つの柱を早めに整えておくことで、トラブルや後悔を防ぎ、愛するペットに「安心の未来」を贈ることができます。
「まだ早い」と思うかもしれません。ですが、終活に「早すぎる」はありません。
今日からできる小さな一歩こそが、大切な家族を守る最初の一歩なのです。
終活協議会では、飼い主様のことからペットのことまで、終活にまつわるすべてのお困りごとを一つの窓口でご相談いただけます。
ご相談は無料です。まずはお気軽にご相談ください。
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監修

- 一般社団法人 終活協議会 理事
-
1969年生まれ、大阪出身。
2012年にテレビで放送された特集番組を見て、興味本位で終活をスタート。終活に必要な知識やお役立ち情報を終活専門ブログで発信するが、全国から寄せられる相談の対応に個人での限界を感じ、自分以外にも終活の専門家(終活スペシャリスト)を増やすことを決意。現在は、終活ガイドという資格を通じて、終活スペシャリストを育成すると同時に、終活ガイドの皆さんが活動する基盤づくりを全国展開中。著書に「終活スペシャリストになろう」がある。
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