長い人生の中で、身元保証人を必要とするシーンがあります。
就職のときや、不動産を賃貸するときなどに身元保証人の提出を求められたことはあることでしょう。
実は、高齢者にも身元保証人が必要な場合があります。この記事では主に、高齢者の身元保証人サービスの種類について解説します。
目次
身元保証人サービスは多様
身元保証人とは身元を保証する人です。損害担保を目的として、身元保証契約を締結します。身元保証人は本人に支払い能力がなくなったときに、代わって支払いをする連帯債務を負う人のことを言います。
身元保証人についての内容に関しては、以下の記事をご覧ください。
「65歳以上人口は、3,589万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)も28.4%となった」
「今後、高齢化率は上昇し、現役世代の割合は低下し、令和47(2065)年には、65歳以上の者1人に対して1.3人の現役世代という比率になる」
2019年 内閣府「高齢化の状況」
高齢者の増加とともに、子供がいない、未婚でおひとりさまである、子供に迷惑をかけたくない、親族に迷惑をかけたくないというような理由から、身元保証人サービスを利用する人が増えています。
しかしながら、身元保証人サービスは多様でサービス内容もさまざまです。弁護士や行政書士の団体、医療・福祉関係者の団体、合葬の墓の運営団体、墓石販売や葬儀の会社など、どこを選べばいいのかわかりません。
最適な身元保証人サービスを選ぶためにも、まずは、具体的にどんな種類があるのかを見ていきましょう。
高齢者の身元の保証が必要なとき
高齢者が身元保証人を必要とする場面は、以下の通りです。
- 入院時に病院から求められたとき
- 介護施設に入居するとき
- 亡くなったとき(ご遺体の引き取りなど)
1.入院時に病院から求められたとき
ケガや病気などで万が一入院することになった場合、身元保証から入退院時の手続き代行、手術の立会いなども行います。
その他には、入退院(転院)の手続き代行、病院関係者との話し合い、外出時の付き添い、必要なものを揃えるというサービスを行ってくれるところもあります。
2.介護施設に入居するとき
介護サービスを利用するときや、介護施設へ入居するときの身元保証や手続きの代行、福祉関係者や病院関係者との協議などを行います。
その他には、ケアプラン作成時の立ち会い、病院受診や買い物への付き添い、施設入居に伴う住所変更の手続きを行ってくれるサービスもあります。
3.亡くなったとき
自分が亡くなった後、やらなければならない死後事務の手続きがあります。関係者への死亡の連絡、死亡届の提出、各種サービスの解約など、さまざまな手続きを委任することができます。
身元保証人サービス「葬儀・納骨・死後事務」
本人が亡くなったら、親族に代わって喪主の代行や、葬儀、納骨、供養などのご希望に沿った葬儀を行います。希望の内容によってはオプションで行うケースもあります。
死後事務には主に、以下のサービスがあります。
- 関係各所にご逝去の連絡
- 死亡届の提出、年金の停止手続き、保険証の返還など行政への届け出
- 家賃、医療費、入院費、福祉施設利用料など清算手続き
- 遺品の処分
- 電気、水道、ガスなどのライフライン契約の終了手続き
- 携帯電話、プロバイダーの契約解除
上記は、身元保証サービスのオプションとしている場合もありますので、内容をよく確認する必要があります。
身元保証人サービス「生活支援」
施設や病院へ入院をすると、必需品の買い物も自由にできなくなります。自宅で一人暮らしをされている人には、定期的に健康状態の確認をする生活支援サービスもあります。
生活支援は主に以下のようなことを行います。
- お金の管理
- ケアプランの確認
- 薬の確認
- 施設からの連絡対応
- 健康状態の確認
生活支援は、買い物や受診時の付き添い、福祉施設入居時の立ち会い、難しい介護認定の申請に関する相談など、日常生活におけるサービスです。身元保証の内容に日常生活サポートが含まれている、あるいは、行うサービスごとに料金を支払って利用する場合もあります。
基本的に、生活支援は24時間365日対応を行っているところが多いです。料金については契約内容によっても異なり、緊急性や時間によって別途料金が発生する場合もあります。
身元保証サービス選びのチェックポイント
厚生労働省老健局では『「身元保証」や「お亡くなりになられた後」を支援するサービスの契約をお考えのみなさまへ』というリーフレットを発行しています。
以下のように、身元保証サービスを利用する際のチェックポイントが、わかりやすく書かれていますので、ぜひ参考にしてください。
【高齢者サポートセンター利用のチェックポイント】
何をしてほしいのかの整理 | 自分が何をしてほしいか明確にする (生活支援・身元保証・死後事務、その内容など) |
支払い能力について | ①利用のたびにお金がかかるサービス、月ごとの手数料がかかるサービスの場合、使う可能性がある期間(例えば 平均余命)を想定して総額を計算してみる。 ② 自分の資産状況と照らし合わせて、支払えるかどうかを検討する。 |
サービス内容の確認 | ①自分がしてほしいことを明確にして事業者に伝える。 ②事業者ができないことを確認し、書面 に残す。 ③契約書(案)の内容は変更ができる場合もあるので、話し合う。 |
自分の未来について | ①自分の認知能力・身体能力が衰えた時にも適切なサポートが受けられるように誰と何の契約をしているかについて書面に残し、緊急連絡先等と共にわかりやすいところに保管する。 ②契約の内容変更や解約手続きを文書で作成してもらい確認する。 |
まとめ
身元保証人サービスは以下の形態で行っているケースがほとんどです。
- 営利を目的としない一般社団法人
- 社会貢献活動を行うNPO法人
- オプションが多い株式会社
身元保証人サービスを選ぶ際には、複数比較し、それぞれの契約内容や料金を調べて、しっかりと理解することが大切です。また、第三者に相談し、一緒に確認してもらうことも身元保証サービスを選ぶポイントです。この記事を参考にしながら、最適な身元保証サービス選びに役立ててください。
監修
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1969年生まれ、大阪出身。
2012年にテレビで放送された特集番組を見て、興味本位で終活をスタート。終活に必要な知識やお役立ち情報を終活専門ブログで発信するが、全国から寄せられる相談の対応に個人での限界を感じ、自分以外にも終活の専門家(終活スペシャリスト)を増やすことを決意。現在は、終活ガイドという資格を通じて、終活スペシャリストを育成すると同時に、終活ガイドの皆さんが活動する基盤づくりを全国展開中。著書に「終活スペシャリストになろう」がある。
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