2025年9月26日

飼い主が亡くなったらペットはどうなる?一人暮らしの備え方を専門家が解説

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一人暮らし。ペットと二人きりの生活。

ふとした瞬間に頭をよぎる不安。「もし自分に何かあったら、この子はどうなるんだろう?」

孤独死のニュースを見るたび、胸が締め付けられる。他人事じゃない。明日は我が身かもしれない。

その不安は、ペットを深く愛しているからこそ生まれる感情です。逃げずに向き合うことが、大切な家族を守る第一歩になります。

飼い主が死んだらペットはどうなる?現実を知る

引き取り手がいないと、どうなるのか

飼い主が亡くなった。身寄りがない。誰も引き取らない。

そんな時、ペットはどこへ行くのか?

まず警察や動物愛護センターに保護されます。でもそこから先が問題です。引き取り先が見つからなければ、一定期間を経て譲渡先を探す。それでも見つからない場合——。

殺処分。

可能性はゼロではありません。これが現実です。

一人暮らしの飼い主が直面するリスク

高齢の単身者。子どもが独立した世帯。「ペットと二人暮らし」という形は、年々増えています。

急な入院。突然の事故。自宅に戻れなくなる。

周囲がペットの存在に気づかなければ?食事も水も取れないまま、命の危険にさらされる。実際に起きている事態です。

だからこそ。

「自分が死んだ後どうするか」を考えるのは、ペットを守るための終活なんです。

ペットの未来を守る3つの備え方

漠然とした不安を、具体的な安心に変える。そのための方法を、順番に見ていきましょう。

① お金と契約で守る|ペット信託・遺言・委任契約

ペット信託とは?

飼い主が生前に信託契約を結ぶ。亡くなった後、指定した人(受託者)が信託財産からペットの飼育費用を使い、世話を続ける。法的に守られた仕組みです。

「お金を残しても、本当にペットのために使ってくれるのか?」

この不安を解消するのがペット信託。資金の使い道が明確に定められ、監督する仕組みもある。最も確実な方法の一つです。

負担付遺贈という選択肢

遺言書で「財産を渡す代わりに、ペットの世話をしてほしい」と指定する方法。シンプルで分かりやすい。

ただし注意点があります。相手の同意が必要なこと。本当に履行されるかの確認が難しいこと。

死後事務委任契約との組み合わせ

死後の手続きを専門家に委任する契約。葬儀の手配、ペットの引き渡し、供養まで包括的に任せられます。

ペット信託と組み合わせることで、より安心な体制を築けます。

② 引き取り先を探す|家族・友人・団体

まずは身近な人に相談

親族、信頼できる友人。「もしもの時、この子を引き取ってもらえますか?」

正直に話してみること。でも現実は厳しい。金銭的な負担、住環境、家族の事情。断られるケースも少なくありません。

動物愛護団体・NPO法人の活用

引き取り手が見つからない場合、次の選択肢があります。

  • 老犬・老猫ホーム
  • 譲渡支援制度を持つ団体
  • 終生飼養契約(生前に費用を預ける仕組み)

一部の団体では、飼い主が元気なうちから契約を結び、万が一の時にペットを受け入れる体制を整えています。

③ 緊急時に備える|エンディングノート・連絡カード

ペットエンディングノートを作る

突然の入院。事故。そんな時、周囲の人がすぐに対応できるよう、情報をまとめておきましょう。

  • ペットの名前、性格
  • かかりつけの動物病院(連絡先)
  • 普段の食事内容、回数
  • 持病、投薬情報
  • 好きなこと、苦手なこと

書き方は自由。大切なのは「誰が見ても分かる」こと。

緊急連絡カードを持ち歩く

財布やスマホケースに、小さなカードを入れておく。

「ペットが自宅にいます」 「緊急連絡先:〇〇」

これだけで救われる命があります。

どの方法が自分に合う?制度の比較表

制度名内容メリット注意点
ペット信託信託財産で飼育費を管理、受託者が飼育確実な運用、柔軟な設計が可能費用がかかる、受託者選びが重要
負担付遺贈遺言で財産を渡す代わりに世話を依頼遺言書で簡単に指定できる相手の同意が必要、履行確認が難しい
死後事務委任契約死後の手続きを専門家に委任包括的に任せられる委任範囲や費用に注意
それぞれの特徴を理解し、自分の状況に合った方法を選びましょう。迷ったら、専門家に相談するのが確実です。

一人暮らしの飼い主が今日からできること

何から始めればいいか分からない。そんな方へ、今すぐできる4つのステップを紹介します。

1. ペット情報をノートやアプリにまとめる

名前、性格、医療履歴、食事内容、好き嫌い。思いつくままに書き出してみてください。完璧じゃなくていい。まずは始めることが大切です。

2. 信頼できる人に連絡先を共有する

親族、友人、近所の人、かかりつけの動物病院。「もしもの時はこの人に連絡してほしい」というリストを作り、共有しておく。

3. 緊急連絡カードを持ち歩く

財布に入れる。スマホケースに挟む。常に身につけておくことで、万が一の時にペットの存在を伝えられます。

4. 見守りサービスを活用する

定期的に安否確認を行う民間サービス。一人暮らしの方にとって、心強い味方になります。

まとめ|ペット終活は「今」を安心に変える

ペットは家族です。

「命のバトン」を次につなぐためには、飼い主が生前に備えるしかありません。

「まだ元気だから大丈夫」

そう思っていても、予期せぬ事故や病気は誰にでも起こります。

いざという時にペットが困らないよう、3つのことを意識してください。

  1. 信頼できる人との話し合い
  2. 契約やノートなどの記録
  3. 費用面の準備

これだけで、安心感は大きく変わります。

あなたの想いと、ペットの幸せを次につなぐために。今日から「ペット終活」を始めてみませんか。

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監修

竹内義彦
竹内義彦一般社団法人 終活協議会 理事
1969年生まれ、大阪出身。
2012年にテレビで放送された特集番組を見て、興味本位で終活をスタート。終活に必要な知識やお役立ち情報を終活専門ブログで発信するが、全国から寄せられる相談の対応に個人での限界を感じ、自分以外にも終活の専門家(終活スペシャリスト)を増やすことを決意。現在は、終活ガイドという資格を通じて、終活スペシャリストを育成すると同時に、終活ガイドの皆さんが活動する基盤づくりを全国展開中。著書に「終活スペシャリストになろう」がある。

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