2023年10月22日

葬儀の準備に必要なことや流れについて業界関係者が解説

葬儀の準備に必要なことや流れについて業界関係者が解説の画像

葬儀を行う際の準備に必要なことは、死に関して法律で定められた手続きを行うこと、葬儀社を決定すること、家族・親族や参列者とのスケジュール調整などがあります。これらは葬儀を円滑に終わらせるために必要なことです。
そこで今回は、葬儀の流れや、準備に必要なこと、葬儀の前後に喪主がすべきことなどを解説します。
葬儀の流れについては、地域や宗教などで異なる場面もありますが、ここでは一般的な仏式の流れについて解説します。

葬儀前の手続きについて

大切な方が亡くなり悲しみにくれる中でも、葬儀の手続きは迅速に行わなければいけません。葬儀前の手続きについて紹介します。

1:危篤と訃報の伝達

医師から危篤を告げられた際には家族や親族にその旨を伝え、立ち会いの連絡をします。そして息を引き取ったら、家族や親族、故人の友人をはじめとした生前関係性の深かった方々へ、亡くなったことを連絡します。連絡をする方は、付き添いや介護で連日の疲労が溜まっている状況かもしれません。その結果、連絡漏れなどのミスが発生する可能性があります。そのため、訃報の連絡は心身的に比較的余裕のある身内の方が率先して動いたり、1人に任せるのではなく、複数人で対応するようにしましょう。

2:死亡届の記入と死亡診断書の取得

まず、病院で人が亡くなった場合、遺族が死亡届を、医師が死亡診断書をそれぞれ記入します。死亡診断書は医師法にて規定されており、この書類がないと人の死亡は証明されません。
また、何らかの事故(変死・事故死・自殺など)で亡くなってしまった場合は、警察の検視を受けて、死体検案書を作成してもらいます。死体検案書は死亡診断書と同様、死亡を証明するために必要な書類です。

3:葬儀社と喪主の選定

故人が生前のうちに依頼する葬儀社が決まっていれば、その葬儀社とのやり取りになるため、段取りはスムーズです。一方、生前に葬儀社が決まっていなければ、遺族が依頼する葬儀社を選ばなければなりません。
生前のうちに葬儀社が決まっていない場合、葬儀社を選ぶ時間に余裕がないため、生前のうちに地元で評判が高い葬儀社を調べておくことをおすすめします。
また、遺族の代表として、葬儀を執り行う喪主を誰にするかも決めなければいけません。一般的には故人の配偶者や、親、子、兄弟姉妹といった、身近な親族が喪主を務めます。

4:故人の搬送と葬儀社への連絡

病院で臨終が告げられると、霊安室にご遺体を移動します。霊安室には短期間しか安置できないため、ご遺体を自宅か葬儀会場へ搬送しなければいけません。そのため、葬儀社と搬送の打合せをする必要があります。葬儀社が決まっていない状況でも、病院と提携している葬儀社に搬送だけを依頼することも可能ですが、そのままその葬儀社で葬儀まで進んでしまいトラブルになることを避けるため、搬送のみの依頼であることをはっきり伝えるようにしましょう。病院と契約提携している葬儀社では自分達が希望する予算感や、サービス内容に対応していない可能性があるため、葬儀社は事前に選定しておくことをおすすめします。

5:死亡届の提出と火葬許可証の取得

人が死亡したら、死亡を知ってから7日以内に死亡届を役所に提出しなければなりません。死亡届を提出する際には添付書類として、死亡診断書または、死体検案書の1通が必要です。死亡届を役所に提出すると、火葬許可証と埋葬許可窓口で交付されます。埋葬許可証は交付直後には効力はありませんが、火葬が終了した後に火葬場の管理者から火葬が済んだ旨の認印を押してもらうことで使用可能となります。埋葬や納骨に際して必要になるため紛失しないよう注意しましょう。

葬儀の準備で必要なものを紹介

葬儀は、おおむね葬儀社のアドバイスどおりにすることで順調に進みます。しかし、葬儀社側では知り得ない情報は、遺族側が提供しなければなりません。
しかし、実際に葬儀を執り行うことになると、時間に余裕のないことが多いため、事前に準備できるものは準備しておくのが望ましいです。そこで、葬儀の準備で必要なものを紹介します。

1:招待人リストと案内状

喪主は、故人の遺志を踏まえた上で、葬儀に招待する方を選びます。そして、葬儀の案内状を送付しますが、案内状は葬儀社で印刷して送付することが一般的です。その際に、案内状を作成するのに招待人リストが必要となるため、喪主が事前に招待人を選定してリストを作成する必要があります。招待人リストは後の法要にも必要となるため、遺族間で共有しておきましょう。

2:花飾りと装飾

予算や故人の意向、遺族の判断により、葬儀の花飾りや装飾を決定します。葬儀社と予算の範囲内で納まるように選定し、喪主の判断のもと、親兄弟、子供、孫などの名前で葬儀場に飾ります。
花飾りや装飾における決め事には地域の慣習により相違もあるため、葬儀社や地域の風習に詳しい方へ確認するとよいでしょう。

3:遺影や音楽と映像

遺影の選択をおこないます。葬儀社に遺影の写真を提出しますが、故人の人柄が分かる表情で、できれば最近の写真を遺族と話し合って選定するのがおすすめです。
また、故人が好んでいた音楽や、生前の思い出の映像などを葬儀社に提出することで、葬儀で再生することが可能です。編集や演出などは葬儀社で行うものですが、遺族側で希望がある場合は伝えておきましょう。

4:棺に入れる副葬品

納棺については後の項目で詳しく解説しますが、その納棺の際に、遺族側で棺に入れる副葬品を準備します。葬儀社では副葬品を選べないため、遺族の希望を加味し、最終的に入れるものを喪主が判断します。

葬儀の流れ~1日目(通夜式)~

葬儀の1日目は、「通夜式」を行います。通夜式は告別式の前日の夕方から1~2時間ほど要して行います。お通夜とは、夜通し故人との思い出を語る場に言葉の由来があります。ここでは、その通夜式における主な流れについて紹介します。

1:納棺式

お通夜開始前までに、副葬品を添えて故人を棺へ移すことを納棺式といいます。通常、お通夜当日にご遺体を葬儀場に搬送し、葬儀場において納棺式を実施します。なお、納棺式はお通夜の前日に行われることもあります。
納棺式は、遺族が故人と接する大切な儀式となり、故人と言葉を交わし思い出を振り返る最後の儀式ともいえます。また、お通夜は夕方前後に開始となるため、納棺式は午後2時~午後3時ごろに行うことが多いです。納棺式を終えた後、お通夜の会場に棺を移動します。

2.読経・焼香

棺を葬儀場へ移動したら、会場に参加者が集まります。そして、僧侶を式場に迎え入れて僧侶による読経が開始されます。読経中に遺族や弔問客は焼香を行います。焼香の順番は遺族、親族、弔問客になります。読経と焼香を終えた後、僧侶が式場から退出し、その後は遺族や参列者も式場から退出します。

3:お通夜の振る舞い

葬儀の別室に案内した弔問客に対し、遺族から軽食が提供され、これをお通夜の振る舞いといいます。お通夜の振る舞いの後、故人とともに一晩を過ごす遺族もいます。

葬儀の流れ~2日目(葬儀・告別式)~

お通夜の翌日に葬儀と告別式を行います。葬儀と告別式は故人とのお別れをする最後の日になります。火葬を実施した後、骨壺を自宅に搬送します。ここでは、葬儀2日目「葬儀と告別式の主な流れ」について紹介します。

1:読経・弔辞・焼香

葬儀と告別式は、葬儀社の司会者が主に進行を努め、流れに沿って喪主を中心に執り行います。葬儀と告別式は、僧侶の読経から始まります。読経は約1時間前後にわたり行われ、故人への祈りを捧げる場となります。
読経が終了したら、故人に対する想いや悼む気持ちを贈る「弔辞」を読む場や、参加できなかった方から故人へ向けた「弔電」を奉読します。弔辞や弔電は、あらかじめ依頼しておきましょう。
その後、故人に近い血縁者から一般参列者の順に焼香を行います。参加者全員が焼香を済ませたら僧侶が退出し、司会者が閉会の辞を述べて葬儀・告別式は閉式となります。
閉式後は、遺族や親族、親しい友人により、柩の中に別れ花や故人の副葬品を納めて、故人と火葬前、最後の対面をします。対面が終了したら、棺に釘打ちをします。釘打ちの後、棺は霊柩車に移されます。

2:出棺・火葬・骨あげ

霊柩車に棺を乗せた後、喪主のあいさつの後に出棺し、火葬場に移動します。出棺に際しての移動は基本的には遺族のみで行い、遺族以外の参列者は告別式の後に解散となります。火葬場に僧侶が同行する場合は、読経を行ってもらい、火葬となります。
火葬は約1時間程かかるため、遺族はいったん控室で待機します。そして、喪主と遺族により、遺骨を骨壺に収める骨あげを行い、終了後に骨壺と埋葬許可証を受け取ります。

3:換骨法要・初七日法要

火葬後、遺族は自宅や斎場に戻り、塩と水で身を清めます。この後、僧侶の読経と焼香を伴う法要、換骨法要が行われます。また、葬儀後に初めて迎える法要の初七日法要は、死後7日目に行われるのが本来ですが、近年は葬儀当日に行うことが多くなっています。

4:精進落とし

僧侶や遺族をはじめ、お世話になった参列者を招いて、式が滞りなく終えられたことを感謝するための食事会を行います。これを「精進落とし」といい、最後の儀礼になります。

葬儀後に喪主がすべきこと

葬儀後には費用の清算や、死亡に伴う各手続き、参列者へのお礼、納骨、そして法要など様々なことを行います。いずれも喪主が中心になり準備する必要があります。下記にて紹介していきます。

1:葬儀費用の精算

葬儀が終了したら、葬儀社から届く請求書どおりに葬儀費用を支払う必要があります。葬儀費用は、当初の契約額に加え、追加の飲食代などが加算されることもあります。支払い方法は、主に「現金」「クレジットカード」「葬儀ローン」の3種類の方法があります。また、葬儀費用を支払うタイミングは、葬儀終了後1週間から10日以内に支払い期限が設けられていることが多いです。

2:各種諸手続き

各種社会保険や年金、住民票の抹消など、葬儀後に行わなければいけない諸手続きは多くあり、期限が決まっているものも多くあります。葬儀後の心身共に疲れている状態で、「期限内に手続きを忘れてしまった」などのトラブルを避けるためにも、計画的に進めましょう。

家族が亡くなった後の手続き一覧や対応すべき内容を業界関係者が解説

3:遺骨の埋葬方法を決定

かつては遺骨をお墓に納めることが一般的でしたが、最近では散骨を希望するケースも多くなりました。故人の意向と遺族の判断により遺骨を散骨するか、それとも従来通りにお墓や納骨堂に納めるかを決定します。

4:法要を行うこと

告別式を終えて葬儀が終了すると、故人の亡くなった日から四十九日目に法要を行います。この法要を四十九日といい、仏教において故人にとっての大切な日です。仏教では、命日から7日おきに故人の審判が行われるとされており、審判の最後の日にちが四十九日です。四十九日は遺族にとっても大切な日で、この日に忌中が終了するとされています。

5:香典返し

式場の受付で受け取った香典やご霊前などから参列者のリストを作成し、お礼として香典返しを行います。四十九日を過ぎたあたりの忌明け以降、約1カ月の期間中に行うことが一般的です。忌明けは、宗派などによって異なるため、間違いなどないように注意しましょう

一般社団法人 終活協議会は葬儀に関する大変な作業を完璧に代行します

葬儀の準備や流れについて解説してきた通り、基本的にはやらなければいけないことの流れは決まっています。しかし、喪主は短い日数の間に、行政への提出書類や葬儀についての決め事の対応をし、その後は全体の状況を確認しながら葬儀の進行を行い、さらには葬儀後にも対応しなければならないことが多く、とても慌ただしくなります。対応の抜けや漏れを防いだり、故人の遺志に沿ったお見送りをするためにも、葬儀社と打ち合わせをしっかりしながら葬儀を進めていくことをおすすめします。以前は葬儀の前準備は避けられていましたが、終活の認知や重要性が高まるにつれて、葬儀の準備も必要とされる時代になりました。
葬儀は、故人をお送りする最後の大切な儀式です。事前に準備をしておくことで、いざという時にも慌てずに済みます。現在、自身や親族の葬儀について備える必要性をぼんやりと考えている方は、前準備事前準備や葬儀の流れについて一度確認してみてはいかがでしょうか。
一般社団法人 終活協議会は、終活サービスを始めて約20年、20,000人以上のお客様の終活をサポートした実績があり、多くのお客様からご好評の声をいただいております。心身共に疲弊している状態でも、やらなければいけない葬儀前後の大変な作業を全て徹底サポートします。
全国16ヶ所の拠点でサービスを展開し、「入会金と基本料金のみ(追加費用やオプション費用は一切無し)」で、お客様一人ひとりに合わせた最適なプランを提供しています。
勿論、無理矢理契約させる様な営業は一切無く、365日(受付時間10:00~17:00)全国対応しているため、お困りの方はお電話ください。また、会社やサービスについて資料請求をご希望の方は、下記のページより資料をご請求ください。24時間365日受け付けております。

心託サービス資料請求ページ

監修

竹内義彦
竹内義彦一般社団法人 終活協議会 理事
1969年生まれ、大阪出身。
2012年にテレビで放送された特集番組を見て、興味本位で終活をスタート。終活に必要な知識やお役立ち情報を終活専門ブログで発信するが、全国から寄せられる相談の対応に個人での限界を感じ、自分以外にも終活の専門家(終活スペシャリスト)を増やすことを決意。現在は、終活ガイドという資格を通じて、終活スペシャリストを育成すると同時に、終活ガイドの皆さんが活動する基盤づくりを全国展開中。著書に「終活スペシャリストになろう」がある。

この記事をシェアする